2000.10.13(金)

黒 岳

初冬の黒岳-雪と戯れる

メンバー:旦那,妻 計2名

山行記録目次
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大雪山が冠雪しているのを下界から見上げたときから、どうにも「雪の上を歩きたい、触りたい、転げ回りたい!」(^_^;)という衝動が押さえきれず・・・
というわけで、初冬の黒岳へ雪と戯れに行ってきました。

写真 1,2,3,4,5,6,7,8
結果:黒岳登頂
天候:曇り時々晴れ時々雪
風速:2m〜10m
気温:9度〜-2度

11:45 層雲峡黒岳ロープウエイ駅
天候:曇り時々晴れ 風速2m 9度
素晴らしい紅葉に彩られた層雲峡(写真1)に到着したのは、お昼近くであった。
旭川を何時に出発したのかは、あえて書かない。まあ、良いのだ。黒岳は7合目までロープウエイとリフトを利用できるので、そこから1時間で山頂が踏めるという、超お気楽山だからである。
と、思ったらロープウエイ駅にこんな張り紙が・・・(写真2)
「運休のお知らせ 黒岳ペアリフトは、切替工事のため、平成12年10月10日〜平成12年11月4日まで、運休とさせていただきます。
平成12年11月5日(日)より、黒岳スキーリフトとして運行させていただきます。
尚、ロープウエイは、通常通り営業いたしております。」
ガーン!これで、まるまる往復2時間のロス。ロープウエイの最終が17時。嫁の顔を見ると明らかに登頂に対する戦意を喪失している!急がなくては・・
12時発のロープウエイに慌ただしく乗り込む。ロープウエイに乗ると、雪化粧した山々が見えてきた(写真3,4)。

12:10 ロープウエイ5合目駅より出発
気温:4度
登山道を登ると二時間半かかる道のりも、ロープウエイなら10分で到着である。
ロープウエイを降りたとたんに、下界との温度差に身を震わせた。駅舎の外は、白銀の世界・・・とまでは言わないが、綺麗に雪で薄化粧されている(写真5)。
駅舎内で入山届けを記入したが、本日は登山者無し!であった。普段はとても登山客の多い山なだけに、多少不安がよぎる。
リフトでは張り紙の通り、すべての搬器を降ろして掛け替え工事を行っていた(写真6)。
この工事は、滑車の位置を夏向けの高さから冬向けの高さへ切り替えるもので、この季節に恒例のものである(すっかり忘れていた)。
その先に黒岳のピークがうっすらと見えて、登頂への意欲がかき立てられる。
リフトの直下を登ろうとして作業員に叱られ(^_^;)、向かって右手の登山道を辿るが(写真7)、沢状に荒れていて大層登りづらい。まったく、リフトの運休が恨めしい。
振り返ると層雲峡の渓谷とニセイカウシュッペ山や8月に登った比間奈山が見える(写真8)。

12:55 7合目リフト終点駅
気温:3度
積雪:5センチ
「うぉー!雪じゃ雪じゃ!」小雪原を見つけて転げ回る私(写真9)。すっかり雪オタクと化した嫁さん(写真10)も頬ずりしている。雪は良い・・・この感触をどんなに待ち焦がれたことか。
これから、ますます積雪量が増すかと思うと、うれしくてしょうがない。
すでに7合目登山事務所は閉鎖されており、他には誰も居ない静かな7合目だった。

13:23-13:37 8合目到着
気温:2度 天候:小雪
積雪:8センチ
雪がだんだん深くなり、小岩が隠れて歩きやすくなってきた(写真11)。
8合目の標識にはベンチが設えてあり、ここで昼食。ビールを雪で冷やせてうれしい(写真12)。まったく、雪は良いものですなあ。ただし、あまりゆっくりはできないので、慌ただしくビールを飲み干し、おにぎりを頬張り出発。ビールのおかげで、すっかり体が冷える。
ここは、昨年11月28日黒岳オープン記念山行の時に引き返した地点だ。当時と景色を見比べると楽しい。

13:50 9合目付近
気温:1度
積雪:10〜15センチ
スパッツを付けていて良かった。深いところでは20〜30センチくらいの吹き溜まりを通る(写真13)。おかげで、時々ラッセルもどきを強いられる。
私はビールを飲んでしまったので足が重く、不覚にも嫁さんに遅れをとってしまった。
でも、ビールと心中なら本望だ!ああ、でも心臓がバクバク。
時々雲に入り、視界が落ちる(写真15)が不安を感じるほどではない。上空を通過する雲の早さから、頂上の近さを感じ取れる。
下に目をやると、灌木に雪が付いて一面白い花畑が広がっているように見える(写真16)。

14:15-14:20 山頂
気温:-2度 風速10メートル
積雪:5センチ以下
山頂直下の岩は、すべて堅い氷に覆われていた。スリップを避けるために登山道脇の雪の上を歩く。
やっと着いた山頂は、10メートル程度の強い風が吹いており、雪は吹き飛ばされてほとんど積もっていなかった。
猛烈に体温を奪われるので、早々に記念撮影を済ませて退散することにする(写真17)。
誰も居ない黒岳の山頂は初めてだ。
岩と雪が混在する荒涼とした風景が広がっているが、私はこういう山も好きだ。今まさに黒岳が秋山から冬山へ変身する瞬間に立ち会っているのだと思うと感慨深い。次にここへ来るときにはすっかり雪に覆われた雪山になっているだろう。すでに冬山装備は必携だ。
お鉢の方面は、雲が濃くて見えなかったが(写真18)、はやり吹きさらしのせいか、雪はそれほど積もっていないようだ。

15:05 7合目リフト終点駅
気温:1度
雪が適度なクッションとなり、膝に優しい下りだった。(ただし、調子に乗って駆け下ると雪に隠れた岩につまずくので危険)
妻は喜んで、雪の深いところでは靴滑りを楽しんでいた。と、思ったら転んでいる。転んでもうれしい。
こんなに楽しい下山は、夏山では味わえない。つくづく私たちは冬山が性にあっているのだろう。
大雪山にもやっと、百名山目当ての登山者の群も、ゴミの山も、トイレ問題も無い(厳密にはあるが)、素晴らしいシーズンがやってきたのだ!パチパチ!
でも、雪の楽しさもここまで。これから先はリフト脇のドロドロ道を下る。
足を取られやすい嫌なルートだが、時々雲が晴れて夕日を浴びる綺麗な下界の景色を望むことができた(写真21)。

15:38 ロープウエイ5合目駅到着
やっと到着した五合目駅からは、まさに40分発のロープウエイが出発するところだった。
慌ただしく入山届けに下山時間を記して、ロープウエイに飛び乗る。
ロープウエイの中では、他の観光客から黒岳の山頂の様子を聞かれたり、なぜかビデオカメラで撮影されたり、「たいしたもんだ!」「若いねえ」などと賞賛の声をかけられて照れた。
まったく大したことのない山行なのだが、これも雪様のおかげだろう。この時期から、急に黒岳の敷居は高くなるのだ。

15:50 層雲峡ロープウエイ駅に到着
結果的には予定より早く下山することができた。
体の芯まで冷えていたので、早速恒例の「黒岳の湯」(公営浴場)に浸かり、やっと人心地つけることができた。
今日はこれから帯広へ向かう。明日は然別湖畔の天望山へ登る予定だ。
黒岳へは、近いうちにテレマークスキーを担いで来ることになるだろう。
楽しみだ。

写真9
写真10
写真11
真の冷え冷えビール 写真12
写真13
マネキ岩 写真14
写真15
写真16
写真17
お鉢方面 写真18
黒岳山頂 写真19
写真20
写真21


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