2002年3月9日(日)
前十勝スキーツアー(正面スロープから初登頂)

当初は三段山ツアーを予定していましたが、稜線が地吹雪になっている様子を見て、現地で目的地を前十勝へ変更しました。
強い西風の場合、正面スロープは意外と穏やかなことが多く、噴煙に巻かれる可能性も低いからです(甘かった)。
登っている途中で、十勝岳から撤退してきた登山者と出会いましたが、グランド付近は噴煙に覆われていて、とても前進できなかったそうです。十勝岳周辺ではS62-II噴火口からの噴煙に十分注意しましょう。そういう我々も山頂付近で噴煙に襲われて、早々に下山しました。噴煙は多量に吸い込むと死に至る事もありますのでご注意下さい。
さて、今回は初めて正面スロープから前十勝の山頂へアタックして登頂に成功しました。標高1640m付近からは岩が多くてスキー板はデポしました。そこからはアイゼンで登った方が安心です(我々はテレマークブーツのまま登りましたが、下りではスリップしがちでした)。山頂付近は25m程度の風が吹き荒れていましたが視界は良く、素晴らしい眺望でした。
雪質はあまり期待していませんでしたが、重ためとはいえパウダーを堪能しながら滑降できて、非常に満足度の高いツアーとなりました。

結果:登頂成功
天候:晴れ
風速:0〜25メートル
気温:-5度
雪量:十分
雪質:重めのパウダー
コース:白銀荘〜前十勝(正面スロープ)
白銀荘10:06-11:20カバワラ尾根11:30-12:44スキーデポ地点(1640m)
12:55-13:18前十勝山頂(1780m)13:20-13:31スキーデポ地点(1640m)13:54-14:47白銀荘

メンバー:旦那、Polly、Hide、toshi、N崎、ナガ 合計6名(順不同)

注意!:S62-II噴火口周辺は火山性ガスが危険な為、立入禁止区域に指定されています。特に前十勝から十勝岳へ向かうルートは、大変危険です
火山性ガスの代表的なものは、亜流酸ガス、硫化水素ガス、炭酸ガスなど、硫化水素の危険濃度は500PPM以上で、致死量は1,000PPM以上。低濃度の場合は硫黄臭がありますが、高濃度になるに従い、人間の臭覚が犯され無臭に感じる特性があります。
実際の事例として、1971年12月 に草津白根山 振り子沢でスキーヤー6名が硫化水素を吸って死亡しています。
山行記録目次

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トラックログ付き地図(赤のラインが上り、青が下り)


富良野岳
強風注意報が出ているだけあり、強い風が吹いているのが見えました

上富良野岳
地吹雪に覆われています。この光景を見て三段山はあきらめました


前十勝
快晴になりました。正面のスロープを直登します

カバワラ尾根にさしかかっているところです。このルート上には他の登山者は居ませんでした

カバワラ尾根
このシュールな光景が旦那は大好きです

富良野岳をバックに急傾斜を登ります。シールが効かないとつらい斜面です

上部に近づくにつれて風が強くなってきました。ハイマツを避けてさらに登ります

標高1640m地点
岩が多くなってきたので、スキー板をデポしました。ここからは希望者のみ山頂を目指します

山頂直下
ツボ足で登りましたが、アイゼンが欲しいところでした

富良野岳が良く見えます

S62-II噴火口
久しぶりにこの光景と出合えました
恐ろしいくらいの迫力です

前十勝山頂
左奥には十勝岳のピークが見えます。風速25mの上、時折噴煙が巻き込んできて危険な状態でした。

山頂から咳き込みながら下山してきました。滑降するスロープを見下ろしたところ

まず旦那がバージントラックを刻みました。スロープの途中から見上げたところ

ナガ
今や細板!?ヘリスティンクスを見事に乗りこなすナガさん

ナガ
飛ばします

Polly
ティーゲル重戦車の異名をとるPollyさん

Polly
クラスト気味の雪を爆砕しながら滑ります

N崎


Hide
期待のルーキー、Hideさん。
重たいパウダーに戸惑い気味でしたが・・

Hide
スーさん譲りのウイリー滑降で攻めます

ナガ
このあたりから、乗りやすい雪質へ変化していきます

toshi
この雪質は苦手なのか?苦戦中

カバワラ尾根の東側の谷へ向かって滑ります

谷の滑降の終盤で、しばし休憩する面々

ここが谷のラストです。旦那のシュプールが見えます

ナガさんのショートターン

重戦車Pollyさん、驀進中

撃破されたPollyさん。閣座したまま動かず・・

一人ブリザードのtoshiさん

カバワラ尾根の終端

お約束の皆で滑降!おしまいです

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