2001.2.17(土)
チトカニウシ山
「山スキーのメッカ?
メンバー:旦那,H中(山S),長老,メグレ,おけい,ito,naru

 合計7名
東京からito&naruさんと、大雪山PVのH中氏を迎え、三段山クラブ,テレテレ隊合同登山隊で、山スキーのメッカと言われるチトカニウシへ遠征してみました。
山行記録目次
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GPSトラックデータ付き山行マップ

俯瞰図
高度断面図

写真1 北見峠付近
結果:登頂成功、滑りはいまいち
天候:雪 視界不良
風速:0〜15メートル
気温:-10〜-18度
雪量:十分
雪質:森林限界より上はクラスト、樹林帯は良質のパウダー

チトカニウシ山(1445.8メートル)は、上川・北見管内の上川町、滝の上町、白滝村の境界にあり、北見峠から良く見える山だ。山頂はなかなか尖っていて格好いい。
チトカニウシ山の語源は、アイヌ語の「チ・トカン・イ・ウシ」われら・射る・いつもする・所の意味であり、決して「千歳と蟹と牛」とか、「乳と蟹と牛」などではない(^_^;)。
1927年に北大の伊藤秀五郎がスキーで登って、ゲレンデの素晴らしさを紹介してからは、山スキーのメッカとして有名になったらしい。

10:15 北見峠付近(標高840m)
曇り時々晴れ 風速3〜4m 気温-10度
国道333号線の北見峠駐車場から少し上川側に下がったカーブの所が登山口(写真2)。
到着してみると、すでにHYML(北海道の山ML)の方々が出発準備をしていた。H中さんもすでに到着している。他には、すでにテレマーカーとボーダーの2人グループと山スキーヤーが2名先発していた。
HYMLのK宮さんのアドバイスに従い、林道の電柱沿いに登り始める(写真2)。

10:54 無線中継所付近
天候:小雪 風速1〜2m 気温-10度
このあたりで林道が無くなる。途中の小高い丘(950m)には無線中継施設があるが、途中のアップダウンを避けるために、そこを通過しないように巻ながら進む。雪の深さが10センチ程度なので楽に進める。
そこからは緩やかな尾根を辿るが、所々にテープが付けてあるので迷う心配はなかった。

11:22 小ピーク斜面への取り付き地点
雪 無風 気温-10度
小ピークへ取り付く前に、少し下り気味に平原状の箇所を通過する。ここからは良くピークが望める筈なのだが、うっすらと雲がかかっていてよく見えない。

11:50 1170m 小ピーク斜面途中
天候:雪 1〜2m 気温-12度
小ピークの斜面は、ダケカンバが多い気持の良い疎林で結構な斜度がある。ここで先行していた山スキーヤーに追いつき休憩を取った(写真4)。
彼らはGPS38Jを持っていたが、衛星を補足できないと言う。もちろん我々のGPS(12CX,12XL,eTrex)ではバッチリだ。
ここから先頭をHYML,三段山クラブ,テレテレ隊合同登山隊が交代する。

12:14-12:25 1258m(小ピーク)
天候:雪 1〜2m 気温-12度
何度もジグを切りながら小ピークに到着。ここから山頂までは30分程度だ。ここの雪庇の影は絶好の風よけ場所になっているが、稜線へ出たとたん強い風に吹かれ始め、視界も不良になった。ここから微妙に下り気味の尾根を通って山頂へ向かうが、この山はこの「微妙にアップダウン」する場所が多すぎる。これは、つまり下りの滑降時に面白くないということだ。
先行パーティーにならって、我々もデポ旗を打ちながら進む。

12:56 山頂
天候:吹雪 風速15m 気温-18度
山頂への最後の登りは、雪がクラストしていてカリカリだった(写真7,8)。ブッシュも出ていて滑降は楽しめそうにない。途中で先発のテレマーカーとボーダーのものと思われる荷物がデポしてあった。ここからツボ足で登ったのだろう。我々はそのままスキーで登高を続けた。
地吹雪で視界がさらに低下してきたので、木にテープを付けていく。

風速15メートルの強い風が吹き付ける中、やっと誰も居ない山頂に到着(写真9)。標識らしきものは、ほとんど雪に埋まっていた。
どうせ眺望も望めないし、どんどん体温が奪われるので、上がると同時に撤収開始。「シールを付けたまま降ります!」とだけ宣言してとっとと引き返した。
荷物をデポしていた先行者が見あたらないのだけが、気がかりだった。
彼らの遭難の可能性も頭に入れながら、慎重に下降する(写真10)。

13:30-14:23 1258m(小ピーク)
天候:雪 無風 気温-14度
帰路では、テープやデポ旗が心強い(写真11)。GPSは、液晶の反応が低温の影響で悪くなりとても使いづらくなっていた。
先発者の荷物をデポしている地点で、突然南東の方向から登山者があらわれて驚いた。彼らは山頂から誤って南の尾根へ降りてしまったらしい。
大事に至らなくて良かった。
小ピークの雪庇にセミ雪洞を掘って、昼食を取った(写真12)。楽しいけど、ちょっと寒い・・・
ここからHYML隊は上越ルートへ降りる。我々は元来た北見峠へ戻る。

15:20 北見峠付近(標高840m)
天候:曇り 風速2〜3m 気温-12度
さて、肝心の滑降だが、小ピークから300メートルほど下がるところまでは良かった。雪質も良く樹林もそれほど密でない(写真13)。しかし、風が強い場所柄か大きな吹き溜まりが多く、知らずにジャンプさせられる。この感じはパリダカで砂丘をジャンプする情景によく似ている。
あとは、延々微妙にアップダウンするルートを歩く(高度断面図参照)。テレマークより山スキーの方が大変だろう。ボーダーなんてもっと大変だ。我々はK宮さんお勧めの電柱ルートのおかげで帰路にシールを付けずに済んだが、それでも疲れた。

感想:うーん、本当にここが山スキーのメッカですか?という感想を持った。楽しめた斜面がたった300メートル(高度差)では物足りなさ過ぎる。
もう一つのルートである石北トンネル手前の上越駅から、なだらかな留辺志部川左岸の尾根を伝って登るコースだと面白いのかもしれない。
春に来たら、また感想が違うかもしれない。

ちなみに、私は出かける時に37.2度の微熱があったのだが、山から降りてきてみると38度になっていた。どうりで足下がふらつくと思った(^_^)。その後白滝グランドホテルの熱い風呂に入り、白滝村で激辛ラーメンを食べ、山の家で酒を飲んだら治った。酒は百薬の長。
写真2 電柱沿いに進む

写真3 1258mピークを望む

写真4 小ピーク斜面で休憩

写真5 結構急な登り

写真6 1258m地点付近

写真7 最後の登り

写真8 山頂手前

写真9 山頂

写真10 山頂直下

写真11 デポ旗

写真12 セミ雪洞
写真13 貴重な300m

写真14 ito

写真15 naru

写真16 おけい

写真17 長老

写真 メグレ

写真19 H中

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