2000.5.25(木)

三段山スキーツアー

さらば三段山!

メンバー:旦那 計1名

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さて、久しぶりの山スキーは、そろそろ滑れるかどうか怪しくなってきている三段山。
今回は、平日に一人で、感傷的に三段山に別れを告げてくるのと、山頂からインターネットへ接続してウエブの更新が可能かどうか検証することが目的だ(カッコイイ!)。三段山よ!俺が最後を看取ってやるぞ!
結果:登頂成功
天候:晴れ後曇り 無風〜弱風
気温:25度
積雪:絶命寸前
雪質:ザラメ(多少シュカブラ有り)
コース:白銀荘(北西)コース。夏道コースはスキーには不向きの状態。

旭川出発
今日の予報は快晴。ウイークデーだが、職場には先週の休日出勤の代休をもらって三段山へ向かった。妻は具合が悪くて寝ている。
出発が遅かったので、途中のコンビニで慌ただしくビール&おつまみを仕入れた(これについては、後述)。
美瑛町から見た十勝岳連峰(写真1)小春日和で気持ちがよい。車の窓を開けるとすがすがしい風が入ってくる。
白金温泉〜十勝岳温泉間の道路が開通したので(冬期間には閉鎖されている)、上富良野を経由する必要がなくなり、旭川から三段山へ向かうのが楽になった。
望岳台付近から三段山を観察するとこんな感じ(写真2)。やっぱり雪が少ないので、うまく雪渓を伝って登ることになりそうだ。夏道コースはハイマツによって分断されているのが分かる。
山頂付近にも雪がないようだ。ちなみに十勝岳はこんな感じ(写真3)。

11:15 白銀荘出発
天候:晴れ 無風 25度
登山口には青々とした芝生が広がっている(写真4)。こんなところで山道具とかスキー装備を店開きするのかと思うとげんなりする。というか、恥ずかしい。
ザックにスキー板を取り付けて出発。しばらく藪漕ぎだ。
登り始めて10分ほどで細い雪道を見つけた。雪好きの性で、ついウキウキと雪の上を歩く。でも、この雪道の下からはゴーゴーという音がするなあ・・と思ったら、落ちて水浸しになった・・・下は小川なのだ。とほほ、帰りたい。それでも気を取り直して一段目に到着。なんじゃこりゃ?すてきなゲレンデだった一段目が、ただの笹藪坂に変身していた(写真5)。あまりの変わり果てた姿に脱力する。この時点ではっきり夏道コースをあきらめて、北西コースに向かうことにした。
ただでさえ暑いのに、重たいスキー板なぞを担いでいるから、汗だくだ。しかも前方には蚊柱が・・いやだなあと思いながら突入するが、いつまで歩いても蚊柱の中。なんと蚊柱が私に乗り移ったのだ!「うぉー!」本気で帰りたくなった。しかし、この状況からも分かるとおり三段山は今まさに来シーズンまでの長い眠りに就こうとしているのだ。死に体の三段山を私が看取らずに誰が看取ろうか!”どんなに困難な障害にぶちあたろうとも精神的は敗北だけは絶対にやめなければならない!”(小西政継氏より引用)と、自己を鼓舞して登坂続行。
一段目過ぎあたりから雪が多くなってきたのでスキーを履いたが(写真6)、雪斜面が連続していないのでコース取りが難しい。何度か行き止まりを戻ったり、スキー板で倒木の上を渡るなどの荒技を強いられる。なんとか森林限界へたどり着いて、やっとまともな雪斜面と出会えた(写真7)。

あとは、山頂に一番近い雪渓までをたどるだけである。雪さえあればこっちのものだ!自然に顔がほころび、ペースもぐんぐん上がる。雪渓の周囲には盛大にハイマツが繁茂している。高さは2メートルほどあるだろうか?こんなものの上を滑っていたのかと思うと感慨深い。時々ザザッという音と共にハイマツが雪から跳ね上がっているのが見える。
途中で休憩して水を飲もうと思ったが、ザックの中にはビールとおつまみしか入っていなかった。昼食もないとは・・(コンビニで仕入れるのを忘れた)我ながらアッパレさに呆れる。
白銀荘から2時間ほどで稜線に到着。麓で難儀した割には早かったのは、雪渓の登りやすさのおかげだろう。
ここからは雪がないので、スキーをデポして稜線を山頂まで歩いた。

13:30 三段山山頂
空は雲が多くなってきたが、風も無く暖かい山頂だった。
山頂からたどってきたコースを見下ろしてみると、雪の無さに改めて愕然とする(写真8)。今年は雪が多かったはずだが、最近の陽気で一気に雪解けが進んだようだ。
富良野岳方面はこんな感じ(写真9)。三峰山直下には、まだ豊富に雪があるように見える。

さて、一人で浮かれて記念撮影(写真10)。その後ビールを飲みながら山頂からのインターネット接続を試みる(写真11)。
だが、ドコモはバリ3(バリバリ三本の略で、アンテナのマークが三本立っているという意味らしい)にも関わらず何度接続しても強制切断されてしまい、接続実験は失敗に終わった。普通の音声通話は可能なのに変な話だ。わざわざパソコンを担いできた私の立場は?そうこうしているうちに酒のおつまみをあっと今に食い尽くし、腹も減ったのでとっとと下山することにする。さらば三段山山頂!多分次にここに立つのは12月だろう。

13:50 三段山山頂 下山開始
雪質は良好なザラメ。大きな雪渓と雪渓との間の雪が消えかけてハイマツに引っかかる場所も出てきていたので注意を要する。多少シュカブラ気味のところもあるが、概ね気持ちよく滑降できた(写真12)。
あっという間に雪渓を滑り終わってしまい、樹林帯の中を雪を探し求めながら下山するうちに、コースを大きく外れたところで”笹藪地獄こんにちわ”になってしまう。進退窮まったが、三段山は山頂から車のドアまでスキー板を履いたまま滑れるのが魅力だったのだと悔しくなり、意地でもスキーを脱がないと決意して、笹藪の中をスキーで降りていく。案外滑っておもしろい、藪スキーだ!(自棄)。そのうちにやっと本来のコースに復帰できたが、また小川に落ちて水上スキーを楽しむ羽目に。最後は車まで芝スキーを楽しんで到着。スキー板で砂利を踏みしめながら、ささやかな達成感を覚えた(スキー道具をいたわりましょう(^_^;))。

14:50 白銀荘到着
おかげさんで、スキー板・体力・精神ともにボロボロの下山だった。皆さんは真似しないようにね。
平日のためか白銀荘はガラガラ。調子に乗って大の字になって露天風呂に入っているうちに、うっかり居眠りしてしまい、溺れそうになってから帰宅。やっぱ、一人登山は寂しいなあ。でも、こんな山行だったら被害は最小限度の一人で正解だったかも。
家路へ急ぐ車のバックミラーには、夕日に染まる三段山が映っていた。とりあえず「三段山の馬鹿野郎ー!」と叫んでみる。うーん、やっと感傷的な雰囲気になれたね。

写真1
写真2
写真3
写真4
写真5
写真6
写真7 中央左が山頂
写真8
写真9
写真10
写真11
写真12


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