デポ旗

depot flag

登山の行程の途中に置いていく旗のこと。
デポ旗・・・安心の象徴。絶対の信頼感の象徴。デポ旗が尽きたら帰るとき。
最高にクールな三段山ステッカーにも描かれているデポ旗は、三段山クラブの象徴でもあります。
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地図が飛んでいった?GPSが壊れた?コンパスが凍った?だーいじょうぶ。デポ旗を打ってあるから。
私は、呆れるほどの快晴時以外は、必ずデポ旗を背負っていきます。
そのデポ旗ですが、既製品はみたことがありません(どこかで売っているんでしょうか?)。針金で作ったり、笹や竹の幹で作ったり・・・みなさん工夫して自作しているようです。
いろいろなデポ旗をみてきましたが、私のデポ旗には自信があります。
まさしくキングオブデポ旗。日本一のデポ旗といっても良いでしょう!(うそ)


現在は二種類のデポ旗を使用しています。
上は遠出用&山中泊用の細長タイプ。
大量に持つために、ポールを軽く細い直径3ミリタイプにし、深雪にも埋まらないように長さを1200ミリにしています。
万が一回収できなかった場合のことを考えて、旗の部分も分解しやすい布でできています。
下は、日帰り山行用太短タイプ。(お勧め)
ポールを丈夫な太い直径4.5ミリにし、大きめのナイロン製旗が取り付けられています。
取り扱い易いように長さを900ミリにしています。

作り方
ポール部分:
このデポ旗のキモは高耐久性、高強度のグラスファイバー製ポールです。
農協(JA)の生産資材センターへ行って、ビニールトンネル用のポール、”ダンポール”を入手しましょう。
長さ2.4メートル、直径4.5ミリのタイプで一本130円です。直径3ミリタイプもあります。
ポールの色は白と青がありますが、雪の中での視認性を考えると青の方が良いでしょう。
それを、適切な長さに切ります。小タイプでは携帯性を考えて短めの900ミリにしていますが、たまにひどい深雪に出会ったときにはもう少し長さが欲しいなと思うときがあります。
また、何泊かするような山行では、埋まってしまう可能性もあります。
ここら辺は、みなさんの使用するフィールドや目的に応じていろいろ試してください。
ダンポールは、表面が滑らかで滑りやすく、刺した雪から抜けやすいという欠点があります。
私は滑り止めとして、ガムテープを巻いたり、赤いビニールテープを螺旋状に巻いて滑り止めとしています(写真1)。

写真1写真2
旗部分:
旗の部分は、色は赤がベストです。蛍光ピンクのテープもよく見かけますが、経験的に蛍光色はホワイトアウトした際には赤より視認性が劣ります。

細長タイプは、幅50ミリ、長さ900ミリのリボン状の布を用いていますが、時々棒の部分に絡まってしまい、視認性を落とすこともあります。
太短タイプは、幅150ミリ、長さ300ミリのナイロン布を用いています。
布の形は、別に三角形にする必要はありません。最大限に布の幅を生かして方形のものを用いましょう。
旗部分は、長いリボン状のものよりも、短くても良いから幅広の方が目立ちます。比較すると細長タイプよりも、太短タイプの方がよく目立ちます。

旗の材質はナイロンが耐久性の面からはベストですが、万が一回収できなかったときの事を考えると、自然に分解するように綿が良いかもしれません。

旗には、パーティの名前や所属山岳会の名前を入れておくと良いでしょう。
遭難した場合に救助の手がかりとなったり、他のパーティの似たようなデポ旗を誤って回収したりすることが防げます。
私は名前を入れておいたおかげで、冬に山中で風に飛ばされて行方不明だったデポ旗が、春に届けられたこともあります。
名前の他に、連番を入れておくというのは一見良いアイデアのように思えますが、実際にデポ旗を打つ際にいちいち番号を確認して打つのは大変面倒なので、実際的ではないでしょう。

旗部分は、ポールと布に接着剤を塗布した後で巻き付けます。私はさらに補強するためにホチキスで止めています(写真2)。
接着剤は適当で良いと思いますが、合成ゴム系の接着剤は劣化が激しかったので、使用しない方が良いと思います。

これで完成です。

デポ旗の持ち方:
こうしてできたデポ旗ですが、持ち歩くと実に邪魔です。
デポ旗を入れておく袋というのも自作してみましたが、結局使い物にならず(たすきがけにしても邪魔なんですよ)、もっぱらザックのサイドストラップに挟んで使用しています(写真3)。
この場合、打つときは一人でも大丈夫ですが、回収するときには二人一組になって、一人がデポ旗を相方のザックに刺していくことになります。
一人で回収する場合は、とりあえずウエストベルトに差していき、数本たまったらまとめてザックに仕舞ったりしています。
気が向いたら、デポ旗とダンスしてみるのも一興です(写真4)。

写真3写真4
デポ旗を打つコツ:
デポ旗を打つ間隔は、いつも歩数で定めています。悪天候、もしくは悪天候が予想されるときには、当然打つ間隔を狭くしています。
地形的に迷いやすいポイントには、斜めに差して方向を指し示したり、危険な場所には2本を×印状に打つこともあります。重要な地点にはデポ旗を打つと同時にGPSにも記録しています。
わざわざ登りコースから外れて、予想される滑降コースにデポ旗を打つこともあります。
デポ旗は貴重ですから、節約のために樹林帯では枝に目印を付けましょう。
しかし、枝へビニールテープなどで標識を付けて残置してしまった場合は、ずっと後まで残りますので他のパーティが混乱したり、単に分解しないゴミと化してしまうので、かならず回収しましょう。
さて、こんなにお世話になっているデポ旗ですが、実はかわいさ余って憎さ百倍の一面もあります。
もっぱら私がデポ旗担当なのですが、ザックから高く突き出したデポ旗が、樹林帯ではひっかっかって邪魔なんですよ。
樹林帯を滑り抜けて後ろを振り返ったら、遙か後方の樹木にデポ旗が引っかかっているのを発見し、泣く泣く回収に向かったこともあります。
強風下では、デポ旗のはためく音がうるさくて音がよく聞こえないし、顔に凍ったデポ旗が当たって痛いです。誰か、デポ旗持ちを代わってください(^_^;)。


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