冷え冷えビール

Cool Beer

ビールですよ、ビール。ここで告白しますと、私が山へ登るのも、MTBを担ぐのも、カヤックに色気を見せているのも、テレマークに乗っているのも、すべておいしいビールを飲むためなんです。えっ?知ってた?
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「馬鹿か!貴様!!」
私、登山中に人様から怒鳴られた経験が二度ありまして、一度目は学生時代にテントの中で沸かしていたお湯をひっくり返したとき(石井先生お元気ですか?)。二度目は私がビールを山へ持ってくるのを忘れた時でした。
そのことを心底反省して、今では食料を忘れてもビールは忘れないようにしています。
で、そのビールをおいしく飲むためには、ビールが冷えていなくてはなりません。これって、下界では簡単ですが山では結構大変ですよね・・
まず、冬山ではオッケーです。むしろ冷えすぎて凍っているくらいです。これはこれで困りますが・・・
残雪のある夏山もオッケーです。ビールを飲む時間を見計らって残雪でビールを冷やすだけです。ビールを冷やすためなら、高度差200メートルくらいまでは喜んで雪渓へ雪を取りに行きます。冷たいビールを飲むためなら、そんな苦労は屁の河童でしょう。
問題は、雪のない猛暑下の夏山です。こいつは厳しい。
今までは以下の方法を試してきました。

1.ビールを凍らせてから持っていくこと。
2.魔法瓶にビールを氷を注いで持っていくこと。
3.簡易保冷バッグに氷とビールを入れていくこと。


1.ビールを凍らせてから持っていくこと
これは、ビールが溶ける時間の予測が難しくて、お勧めできません。
何度も、まだ凍っていたり、ぬるくなっていたりしている失敗を重ねて、まさしく煮え湯を飲まされてきました。ビール缶がふくらんでいるのも、見ていて気持ちの良いモノではありません。

2.魔法瓶に氷とビールを注いで持っていくこと
今までは一番気に入って多用していた方法ですが、魔法瓶の説明書にはかならず、「炭酸飲料を入れるな!」と記載されています。
私は不都合な目にあったことはありませんが、魔法瓶が内圧に耐えきれなくて爆発しても嫌ですし、保冷のための氷が溶けてビールが薄くなる点や、若干気が抜ける欠点ももあります。
そのため、最近はやめました。

3.簡易保冷バッグに氷とビールを入れていくこと(写真1,2)


写真1,2
これが、一番ポピュラーな方法でしょう。
うまくいけば理想的です。しかし!簡易保冷バックは、さすが簡易なだけあって保冷力が優れているとは言いかねます。
2〜3時間の山行なら何とかなりますが、それ以上ですと、ザックの中で盛大に結露をおこした挙げ句に、ビールの冷たさが損なわれていたが多々あります。
保冷力のある、クーラーボックスは、一番小型のモノでもかさばってザックには入りません。
一度、トムラウシの山頂で、下界から大型のクーラーボックスを肩に掛けて登ってきた人に出会ったことがあります。
冷たいビールに対する執念には敬服しましたが、他の装備は一切無くて近所のピクニック程度の格好でしたので、ただ単に勘違いしている観光客だったのでしょう。彼らが無事に下山できたことを祈ります。

では、冷たいビール中毒の山屋はどうしたらよいのでしょうか?大丈夫です。私が良い方法を見つけました。
これは、2と3の良い点を組み合わせた画期的なモノです。
魔法瓶(写真3)の中に、氷と缶ビールを入れるのです。

写真3,4,5
保冷バッグの代わりに魔法瓶を使うのです。最近の1.5リットル越えの魔法瓶は、広口で十分缶ビールが入る余地があります。そこへ、氷と缶ビールを入れるのです(写真4,5)。
魔法瓶ですから、こいつの保温力は絶対的です。丸一日は氷が溶けずにビールも冷え冷えなことは保証できます。
氷が溶けてビールが薄まることも、気が抜けることもありません。いつでもフレッシュなビールが楽しめます。
どんなに大型の魔法瓶でも、クーラーボックスよりはコンパクトですので、ザックに十分入ります。大型のタイプですと500ミリリットル缶も十分入ります。重たいって?そんなことを言う人には、冷たいビールを飲む資格はありません。
忘れてはいけません。ビールを飲むために山へ登るのですから。

重量があまり気になるのなら、保温力は下がりますがペットボトル用保温容器があるので、そちらを試すのも良いでしょう。そのかわり、かなりかさばります。

先日、比間奈山の山行で試してみたのですが、実験は大成功。朝に仕込んだビールが、おかげさまで6時間後でも冷たくいただけました。氷もほとんど溶けていません。
氷の代わりに保冷材を使っても良いでしょう。
最近登場した、ショットボトルビールもお勧めです。缶ビールより若干高価ですが、なんどでも密閉できる利点があります。
今回は、昼食時に飲みきれない分をスクリューキャップを締めて持ち歩き、下山途中の休憩時においしく頂きました。魔法瓶とショットボトルの組み合わせは、もう完璧です。
さあ!あなたもご一緒に!(^_^)

00.08.31追記:私の方法だと、常に冷たいビールを飲めるという利点はあるものの、携帯できるビールの量に制限があります。というわけで、北海道旭川市のカヌー愛好家、H舘氏より、以下の指摘を頂きました。

”ビールを何本か携行する場合には、魔法瓶の中には氷だけを入れていき、現地で冷やすのが合理的である。
ビール地点?で魔法瓶の中の氷を箱、もしくは袋の中に移し、その氷の中にビール缶を入れる。
その後ビール缶を回転させながら冷やすのがこつ。(これは、氷とビール缶との接触面積を増やすため?)
350ミリリットル缶の場合で、三分間ほど回転させると、もう飲み頃の冷たさになる。さらに、塩を入れると、吉。”
なるほど!


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