雪崩エアバック(ABS)-1-
究極の雪崩対策装備、ABSの紹介です。

雪崩三種の神器(ビーコン・シャベル・アバランチプローブ)の携帯は、すでにBCでは常識となりつつあります。しかし、これらは皆、他者を救うものであったり、自分を救ってもらう為の受動的な雪崩対策装備に過ぎません。
例えば、単独行で雪崩に遭遇したときには、なんら自らを救う手だてになり得ないのです。
積極的に雪崩に対応する、唯一の装備として雪崩エアバックがあります。
これは、雪崩に遭遇したときに、大きなエアバックを膨らませて雪崩の上に浮き上がるという装備です。
欧米では、すでに10年ほど前から用いられていて、効果が実証されている装備ですが、この度やっと日本でも販売されるようになりました。

まだ高価な装備ですが、日々雪崩の脅威を感じていた私は、早速購入してどのようなものかレポートすることにしました。こちらは、購入直後のインプレッションです。 恐らく、日本での購入第一号のレポートだと思います
次回は実際にフィールドで使用して感じたことをレポートしたいと思います。

ダイナフィットABS-PROF1
VOLUME: 50 l
WEIGHT: 3.200 g
SIZE:60 cm (h) x 45 cm (w) x 20 cm (d)
MATERIAL:Nylon-Kodra

◆DYNAFIT
http://www.dynafit.at/en/products.php?produkt=43
システムについては開発元の方が詳しいです。
◆ABS Peter Aschauer GmbH
http://www.abs-lawinenairbag.de/html/englisch/airbag/frame_air.htm
◆事例(1991〜)
http://www.abs-lawinenairbag.de/html/englisch/aktuelles/unterkapitel/praxis.htm

ABSの日本での販売代理店であるカスタムプロデュースは、HPでの情報提供はしていない。
TEL 04-7183-2380


ザック表側
ザック自体は、ドイツのdeuterというメーカーのもの
http://www.deuter.com/

ザック裏側
各部がしっかり作られている

ウエストベルトには、ハーネスが付いている。ABSの展開時には、ハーネスを装着することになっている。

エアバックの収納部
ザックの両側に付いていて、ベルクロで閉じられている

ベルクロは簡単に手で開けられる
中には、畳まれたエアバックが入っている

エアバックを展開したところ
一つが75L。二つで150Lの容量がある

エアバックとザックの接合部
ピンで留める構造で、ピンを抜くと簡単にエアバックを外すことができる

エアバックのガス注入バルブ
展開後に、ガスを抜くリリースバルブもある

エアバック全景
片方だけ取り出した状況だが、かなり大きいことが分かる

ガスカートリッジセット
トリガーと、ガスボンベのセットになっている。爆発物の為、機内への持ち込みには手続きが必要

窒素ガスボンベ
先端は塞がれていて、ニードルで穴を開けて作動させる仕組みとなっている

ザックへガスボンベを装着している様子。ザック底部の穴開けシステムにボンベを装着する

ボンベをストラップで固定する
ボンベは、-40度まで使用できる

さらに、カバーを掛けて、ボンベの装着完了。

トリガー
中に爆薬が入っていて、強く引くと爆発して先端のピンから衝撃波が出る仕組み

雪崩れそうな地点までは、誤動作を防ぐために、ウエストベルトの専用ポーチに収納しておく

トリガーの差し込みキャッチ
ここから衝撃波がパイプを伝わってボンベの穴開けシステムを作動させる

差し込みキャッチにトリガーを取り付けた様子。滑降前には、誤動作防止用の赤いベルクロを少し緩める

ABSザックの容量を検証
普段私が使っている装備一式を入れてみた

ヘルメットを含めてすべて収納可能
日帰り装備は十分に収納できることが分かった。使い勝手も良い

秀岳荘白石店で、たまたま居合わせたボーダーの方に背負ってもらった様子
ザックを背負った感じは、容量、重量共に、50Lのザックにテルモス1個(ガスカートリッジ)とツエルトを二個(エアバック)足した感じだと思えば良いと思います。
次回は、展開実験の様子をレポートします。