2004年5月2日(日)〜3日(月)憲法記念日 中岳温泉スキーツアー(強風地獄〜テント崩壊〜) 5月2日(日) 天候:晴れ後曇り 風速:無風 気温:0〜10度 雪量:例年より少な目 雪質:スーパーモナカ〜深ザラメ コース:旭岳温泉〜中岳温泉〜安足間岳〜比布岳〜中岳温泉 コースタイム: 9:00旭岳温泉〜9:30姿見駅〜11:40中岳温泉 中岳温泉12:47〜14:14安足間岳〜14:55比布岳〜16:03中岳温泉 メンバー:旦那、田中パパ、ゆうちゃん、ぱっちまん、かっちゃん、なまこちゃん 計6名 5月3日(月) 天候:曇り後雪 風速:25m 気温:-4度 雪量:例年より少な目 雪質:ウインドクラスト〜ハードバーン コース:中岳温泉〜旭岳温泉 コースタイム: 中岳温泉7:30〜9:16姿見駅10:34〜11:13旭岳温泉 三段山クラブ馬鹿行事として恒例となっていた中岳温泉ツアー。準備が面倒なので2001年以来中止されていたが、今シーズン急遽復活されることになった。馬鹿でかいオートキャンプ用ドームテントを大型ソリに積んでいき、中岳温泉で快適に過ごすというコンセプトのもので、例年快晴に恵まれて成功を収めていたツアーだったが・・ 天気予報は、5月2日は快晴無風。5月3日は曇りのち雨、風速5m。2日は問題ないが、3日は動けるとしても午前中だけで、あまり期待できない。たぶんすぐに撤収することなるだろうと思った。 5月2日、8時30分に旭岳温泉ロープウエイ駐車場に集合。このツアーを中止していた二年間の間に、すっかりメンバーの顔ぶれが変わってしまった。前回のツアーと同じメンバーは誰も居ない。なまこちゃんは初山中泊。そういえば、ゆきこの初山中泊も中岳温泉だった。 現在妊娠8ヶ月近くのゆきこは、自分が行けない分せめて食事当番をやるということで、一生懸命食材を準備してくれた。ありがとう。いつか生まれてくる子供達と一緒に行こう。 9時発のロープウエイ始発は混んでいた(臨時便が出たので、正確には第二便)。何名か知り合いに会えたのが嬉しかった。 姿見駅から見た旭岳は見事の一言に尽きる。地獄谷が「こっちを滑ろうよ〜」と呼んでいる。しかし僕らにはソリ引きが待っている。ソリは年々改良されて、クロスコントロールバー、ショックアブソーバーバンドなどを装備し、快適性は向上されているのだが、複数の人数で片斜面を何時間も引っ張るとなるとそれなりに辛い。特に精神面で「忍耐」「協調性」などが試される。 今回はさすがに精鋭メンバーだけあって、2時間10分という驚異的な時間で中岳温泉に到達できた。 ちなみに、2001年のツアーでは4時間30分もかかっている!お疲れ様。 明日は悪天候が予想されているので、たぶん今日しか滑れるチャンスは無い。 時間がもったいないので、中岳温泉に装備を置いた後、すぐに安足間岳方面に出発した。田中ファミリーは愛別岳のピークを狙う。 暑い!安足間岳の登りは暑さとの闘いだった。日差しと雪面の照り返しで熱中症になりそうだ。ヘロヘロになりながら安足間岳のピークに到着。体力に余裕のあるかっちゃんは軽ーく一本滑って登り返してきた。 田中ファミリーは愛別岳を目前にしながら、雪の状態が悪いという判断で苦渋の登頂中止。せっかくアイゼン、ピッケルを持ってきたのに残念だった。 雪の状態の良い所を探しながら比布岳のピークまで移動し。ピークから南面の大斜面を滑った。 しかし、ちょうど曇ってきて雪のギャップが見えづらくなり、さらに雪質が悪化してモナカ状態になってしまい難儀した。午前中なら快適なスキー滑降が楽しめただろう。残念だ。 足の肉離れが悪化した者や、転倒して軽傷を負った者を出しながら中岳温泉へ帰還。トイレとテントの設営作業を行った。 今回のツアーでは大便の他に、初めて小便の持ち帰りも行った。小便の量は多く重量がかさみ、持ち帰りには相当の負担がかかることが分かった。 中岳温泉では、他に5パーティほどが幕営していた。 その後の様子は、ぱっちまんのテレ三昧(BC日記)に詳しい。http://www.bc-qali.com/ テントについて、オートキャンプ用とはいえドーム型であり、何度か山中で使用しても問題が無かったので、風速15mくらいまでなら耐えられると思っていた。 前日の旭岳温泉のスポット天気予報では3日の風速が5mとのことだったので、中岳温泉でもせいぜい15m程度の風に収まると思ったのだが・・ 5月3日 予想よりも早く天候が悪化し、特に2日の夜半から猛烈な風が吹き始めた。テントが大きな音をたてながらほとんど潰れるような状態を何度も繰り返し、とても眠れるような状態ではない。外張りを何度か修繕しながら一晩耐えたが、とうとう明け方に貼り綱が切れてしまい、テントが一気に崩壊した。 ポールが曲がり、テント地がちぎれ、いくつか装備が吹き飛ばされる中、メンバーが交代で潰れたテントを支え、その間に残りのメンバーが大急ぎで身支度を調えた。 旦那はナイフを振るって、テントの一部を裂きながら撤収作業を行った。もうこのテントは使えない。結婚祝いで友人達が贈ってくれたものなので、とても辛かった。 当然朝食なんて摂る暇はない。これは非常事態。すぐに撤退だ。 姿見駅での計測によると、この日の風速は25m。このテントが明け方まで持ちこたえたのが奇跡だった。 テントが日が昇るまで持ちこたえられなかったら、あるいは吹雪だったら大変な事になっていた。 この点は、旦那の見通しが甘かったとしか言いようがない。 特に、初山中泊なのに手を血だらけにしてテントを支えてくれたなまこちゃんには申し訳ないことをした。 なんとか6時30分に撤収完了。朝食代わりの行動食を食べてから7時30分に中岳温泉を出発した。他のキャンパーも全員撤収し始めていた。この悪天候では当然山行中止だろう。 帰路は辛かった。高曇りで視界は良いが、顔に地吹雪の氷の粒が当たって痛いし、突風で何度か体が押し倒された。雪も全面ハードバーンになり、ソリが横ずれしやすくて苦労した。下りなので時間は往路よりかからなかったが遙かに疲れた。 9時16分に姿見駅にたどり着いたときには心底ホッとした。他の登山者も続々と駅舎へ避難してきた。 当然ロープウエイは運休しており、当初の計画ではロープウエイを使って降ろす予定だったソリを、ゲレンデから降ろすことになった。ゲレンデもガリガリのハードバーンになっており、旦那一人で降ろすことを試みたが重すぎるソリに体を引っ張られて失敗。荷物を皆に分担してもらい、ソリを軽くしてもらってやっと一人でソリをコントロールして降ろすことができた。 反省点は多々あり、そのほとんどはリーダー兼装備係の旦那が責められるところだ。しかし、皆無事に帰還できて本当に良かった。ツアーメンバーのチームワークと、高い対応力に感謝。旭岳温泉の駐車場で”ぐれっちさん”と出会えた。ゆっくり話はできなかったが、とても嬉しかった。 丁度、この日に旭岳で5名パーティの遭難事故があり、一人がヘリで搬出されたとのこと。あの強風下にツアーを行った人が居たことにも驚いたが、ヘリが飛んだ事にもっと驚いた。 |