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2003年1月26日(日) 危険!!:雪崩・道迷い
富良野岳スキーツアー(ジャイアント尾根西側斜面滑降ルート開拓)

なんと今シーズン一度も富良野岳を滑っていない旦那。方々から寄せられる富良野岳の粉雪便りに我慢できず行ってきた。
最近、富良野岳は大変混雑している(ほんの2〜3年前には考えられない事だが)。週末の駐車場は常に満車。いつもベベルイ沢にたくさんのシュプールが見えるようになった。
そこで今回は新しく滑降ルートを開拓することにした。前日に仲間とカシミールでみっちりルートの検討を行いGPSへデータをアップロード。さて、滑降ルート開拓は成功するのか・・・?

今日は全道的に快晴!当然富良野岳も晴れるだろう。しかも気温は低めに推移するので雪質も期待できる。混雑を避けるために、いつもより早い8時30分にバーデン前に集合した。
駐車場でGo Ridingのウエブマスターや、さなさん、yossyさんらと出会えた。登るルートは一緒だ。よろしく!
森林限界まで登ってみると、いつもと違って東から風が吹いているために、ベベルイ沢の上部がクラストしていた。尾根上も1500m付近から上はアイゼンが無いと安全に登れない状態。仕方がないので予定していた滑降ルートを変更し、風下になっているジャイアント尾根の西側に滑降ルートを探しながら西側斜面をトラバースしてみた。
そしたら・・・見つけた!素晴らしい斜面を。斜度といい、雪質といい文句なしのオープンバーン。そのまま一気に谷底まで滑り降り、標高1111mからジャイアント尾根を東へトラバースして帰ってきた。

天候:快晴
気温:-10〜-12度
風速:0〜2m
雪量:十分
雪質:下部はパウダー、上部はウインドパック〜クラスト
メンバー:旦那、ゆきこ、toshi、めぐろ、ニッシー 合計5名(全員テレマークスキー)
コースタイム:バーデン上富良野前8:50-ベベルイの滝9:40-森林限界(1370m)10:56-11:22滑降開始地点(1500m)11:58-トラバース開始地点(1111m)13:06-ベベルイの滝14:14-バーデン上富良野前14:40

トラックログ付き地図(詳細図へのリンクは外しました)(赤のラインが上り、青が下り)


富良野岳
まだ上部にガスがかかっているが、絶対晴れる

バーデン上富良野前
8時30分すぎには、車でびっしりとなった

なぜか凌雲閣の雪上車が登山口に駐車していた

恒例、三峰山沢川渡り
ソフトブーツの人は浸水注意

先行する山ボーダーのトレースを辿る。
スノーシュー早ぇ。追いつけなかった

樹林の間か旭岳が見える

森林限界からは、十勝岳がよく見えた。手前は北尾根

標高1500m付近。
雪がクラストしてきて、シール登高ではここらへんが限界だ


逆光のジャイアント尾根

遙か高み、ホコ岩を目指すボーダー達。うーん、負けた。ボーダーのスキル高い

滑降開始地点
旦那はビールなんか飲んで上機嫌だった

ジャイアント尾根から、西側へトラバースして、良い斜面を探す

やった!見つけましたよ。良い雪質、谷底まで続く良い斜度のオープンバーン

ニッシー行け〜!
ファーストトラック

めぐろ

toshi

豪快な滑り
ゆきこ

ゆきこ

toshi

ニッシー
転ぶと腰まで埋まる深雪

めぐろ

谷底を目指すニッシー
ますます雪は深くなっていく・・

toshi

谷底へ落ちるめぐろ
谷は階段状に急斜面が連続していた。おそらく夏期には滝になっているのだろう

ときどき、ジャイアント尾根側へトラバースして、良い斜面を探して滑った

とにかく、雪が深くて軽い!泳ぐように滑る
ゆきこ

これ以上降りると帰還が面倒になる。標高1111mから、ジャイアント尾根側へトラバース開始

ジャイアント尾根へ復帰して、樹林帯を滑る
ニッシー

前方にベベルイ滝の谷が見えてきた。
GPSナビゲーションは完璧だ

ジャンプにトライ・・失敗したニッシー

川に落ちそうになっているニッシーの図

凌雲閣の雪上車。三峰山沢で負傷したエトリックスさんを搬送してくれた

車での帰路の途中で見えた富良野岳

同じく、昨日は雲の中だった美瑛岳
上にも書いていますが、この日なまら癖-Xの一員でもあるエトリックスさんが三峰山沢で木に激突し、骨盤にヒビがはいる怪我をしました。一日も早い回復を祈ります。
今シーズン、十勝山系ではバックカントリースキーヤーの事故が多発しているようです(旦那も含めて)皆さんも十分注意してください。
今回の我々の新ルート開拓で、ジャイアント尾根の西側に素晴らしい斜面を見つけることができました。しかし、ジャイアント尾根へのトラバースルートが長くてかなり迷いやすいです。
さらに、西の沢はベベルイ沢より狭く急なので、上部で雪崩れたら逃げ場もなく埋まってしまうでしょう。ですから決してお勧めはしません。
重要なのは、このルートがレスキューが大変困難な領域に入ってしまっている事です。ベベルイ沢ルートなら、障害は北尾根への短いトラバースだけで、あとは怪我人を北尾根から三峰山沢へツエルトでスマキにして、ザイルで制動かけながら滑り落とせば良いので楽ですが、ジャイアント尾根の西側は距離があるし登り返しもあります。雪上車も近づけません・・この事を肝に銘じて行動してください。

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