2002年1月13日(日)
富良野岳ジャイアント尾根スキーツアー(楽(パウダー)あれば苦(ラッセル)あり)
結果:1550m地点から滑降
天候:雪〜吹雪
風速:0〜5メートル
気温:-7〜-14度
雪量:十分
雪質:極上パウダー(弱層あり)
コース:ジャイアント尾根

今回も三段山クラブ&テレテレ隊の合同ツアー。
樹林帯は風も無く穏やかでしたが、稜線上では吹雪で視界も100メートル前後。
今回は一部先行者のトレースを辿れたものの、北尾根付近では迷路のようなトレースに惑わされ、ベベルイ沢から上でも大体行程の4/5をラッセル(膝深さ)することになってしまいました。途中、単独行のボーダーと山スキーヤー各一名とHYMLオフミツアーの面々(9名)と出会いました。他にも二パーティほど入山しており、この山も賑やかになってきました。
樹林帯と沢の中の雪質は深くて軽かったのですが、尾根上の雪面はクラストと吹き溜まりが交互になっている状態だったので、我々は谷への滑降を狙ってさらに尾根を詰めました。
標高1530メートル付近で弱層試験を行ったところ20センチと40センチの深さに手首でズレる弱層を確認し、そこから雪崩を警戒しつつ慎重にベベルイ沢への滑降を試みました。
ここでは今までに経験したことのないほどのオーバーヘッドパウダーに当たり、前が見えないのはもちろん、息が出来なくて咳き込みながらの滑降となりました。
樹林帯でも他のパーティのシュプールを東へ避けて、良い斜面を滑ることができました。
天候は残念でしたが、雪質的にはかなり満足度の高いツアーだったと思います。(くれぐれも雪崩にご注意ください。特にこのフィールドでは、雪崩ビーコンを含めた雪崩対策装備の携帯を強く勧めます)
ジャイアント尾根は、末広がりでとても迷いやすい尾根なので、GPSが毎回大活躍しています。


バーデン上富良野前9:20-9:47ベベルイ沢の滝9:57-10:50森林限界(1370m)11:10-12:00滑降地点(1530m)12:20-12:50森林限界(1370m)13:00-14:00ベベルイ沢の滝14:15-14:30バーデン上富良野前

メンバー:旦那、A部、K藤、おけい、スー、Hide、N崎、M黒、K賀、ナガ、T塚、夢幻猫、ただ(順不同 三段山クラブ&テレテレ隊)合計13名
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トラックログ付き地図(赤のラインが上り、青が下り)


登山口
バーデン上富良野前

ベベルイ沢の滝
毎度かっこうの目標となる滝。北尾根からうまくここへ巻けると、大変楽なのだが、コース取りが難しい


ベベルイ沢の滝
滝を見上げながら一休み

樹林帯
ここから樹林帯をひたすら登る。しばらくして先行者に追いついてしまい、それからのラッセルがきつかった。

森林限界
ここでもなかなかラッセルが楽にならない。そのかわり雪が深くて良好なオープンバーンとなっていた。

谷への滑降地点(1530m)へ
かなり視界が悪い。
雪も20,40センチ深さに手首で切れる弱層があった。この場所も危険だ。

ベベルイ沢の谷へ滑降!
「雪崩に埋まったら探してくれよ」と言い残し、
テレテレ隊のA部さんが、皆で雪崩を警戒する中、ダイブ・・どうやら大丈夫そうだ。


K賀?
続いて、一人ずつ間隔を開けて谷へ飛び込んだ。なにしろパウダーすぎて各人の識別が困難だったので、間違いはご容赦

不明

Hide
期待のルーキー。帽子のおかげで判別可能


わはは・・不明

ナガ
パウダーで息ができない!」と、咳き込みながら滑る人続出。これで、谷への滑降終了

おけい?
ここから、樹林帯までのオープンバーンを滑る

A部

M黒

Hide

T塚

ただ
コンタクトを落とした後、ゴーグル、予備ゴーグルが曇るアクシデントに見舞われ、苦戦する

夢幻猫

夢幻猫

K藤

A部

ナガ

スー
森林限界付近のオープンバーン
から樹林帯へ


K藤
K2ワールドピステの浮力を生かして、パウダーに乗る。。早い!

樹林帯
樹林帯の深いパウダーを滑る。危険な雪直下のブッシュはだいぶ無くなった

A部
樹林帯は狭くて急な斜面が多いが、それがまた楽しい

N崎?

A部

スー
ブッシュの間を猛スピードで駆け抜け、枝がヘルメットの当たる音がこだまする。やはりヘルメットは必携か?

A部
ベベルイ沢の滝付近の急斜面を落ちる!

K藤
左に同じく

滑降終了。砂防ダムへ

最後に毎度お馴染みの渡渉で今日のツアー終了!
素晴らしいディープパウダーでしたが、今回のベベルイ沢の谷への滑降には、雪崩のリスクがありました。現場でも「大丈夫だ」「危ない」で意見が分かれました。結局は大丈夫だった訳ですが、雪崩の危険度を判断するのは本当に難しいです。以前には、同じ場所で弱層テストの結果、谷への滑降を取りやめた事もあります。
私たちは試行錯誤しながら雪崩のリスクコントロールを考えていきます。皆さんも、くれぐれもご注意ください。

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