2001.1.3(水)
富良野岳ジャイアント尾根 谷へ大滑降! メンバー:旦那、ゆきこ、A部、M黒、N崎、スー、ito,naru 途中合流 hiro,I崎 合計10名 |
正月山行第二段は、富良野岳ジャイアント尾根。 アプローチは難しいが、谷への大滑降は一度滑ると病みつきに・・ でも、くれぐれも雪崩には注意して。 |
結果:ジャイアント尾根上1565メートル地点から滑降 天候:雪 視界不良 風速:0〜2メートル 気温:-10〜-17度 雪量:十分 雪質:最良のパウダー 9時00分 上富良野町 スーさん宅出発 天候:曇天 無風 前日泊した7名と、当日集合の1名、合計8名で出発。 夕べから降り続いた雪が20センチほど積もっていた。天候は曇天だがこれなら良い雪が期待できそうだ。同時に雪崩の心配もあるので各自ビーコンを装着。 ちなみに写真1はM黒さんのワームレスアルペンビーコン1500。国産の連続作動時間1500時間を誇る機種(はじめて見た)。普通のビーコンは作動時間が300時間程度なので驚異的な性能だ。表面に大書きしてある注意書きがおもしろいので、ぜひ見てもらいたい。 他のメンバーのビーコンは、古き良きオルトボックスF1フォーカス アナログビーコンから、最新鋭マモートバリフォックス デジタル/アナログビーコンまで様々。 まだ、ビーコンを買っていない人は早く買いましょう。個人的にはマムートがおしゃれでお勧め。 ところで、出発はしたものの行き先はまだ決まっていない。漁師テレマーカー達(釧路労山)のラッセルを泥棒するためだ(^_^;)。十勝岳か富良野岳へ行くと言っていたが、この天候ならたぶん富良野岳だろう。 前日には一応両方のルートを確認して、ito&naruさんとGPSへトラックポイントとして入力しておいた。 9時53分 1020m バーデン上富良野出発 天候:雪、無風、-10度 富良野岳登山口(バーデン上富良野前)に、漁師テレマーカー達の車を発見。 ここから見る富良野岳は、案の定深いガスに包まれていた(写真2)。 バーデン上富良野の方に一言断って、道路脇に駐車させてもらう(写真3)。 上富良野方面へ向かう道路沿いに100メートルほど降りて、砂防ダム入り口から入山する(写真4)。 ここからまず北尾根を越えるのだが、ここの傾斜がきつくて最大の難所になる(写真5)。連続キックターンを強いられたり木の枝を掴んだりしての登高はとても疲れる。 おそらくジャイアント尾根があまりポピュラーなスキーツアーコースでないのは、このアプローチのせいだろう。 北尾根を越えてからは、気持の良い樹林帯が広がるジャイアント尾根を詰めていく(写真6)。 ただし広くて迷いやすい尾根なので、枝へのマーキングが欠かせない。 我々は漁師テレマーカー達が付けてくれたトレースとマーキングをありがたく辿らせていただいた。雪が軽いとはいえ、20〜25センチのラッセルは大変だったろう。 標高1300m地点付近の樹林帯の中で、賑やかに降りてきた漁師テレマーカー達と出会った。彼らは視界が悪かったのでコルの手前で引き返してきたそうだ。雪質は最高とのこと。気持の良い挨拶交わした後で、相変わらず豪快なテレマークターンで林帯の中をかっ飛ばして降りていった。カッコイイ〜「ラッセルありがとう!」 11時50分 1420m 森林限界近く 天候:小雪、風速1〜2m、-15度 森林限界の付近(写真7)で大休止し防寒装備のチェック。ここから吹きさらしの尾根上では風が強くなることが予想されるためだ(結局上部は無風に近かった)。 寒いので座る気がせず、立ったまま落ち着かなく行動食などをかじる。 皆ニコニコしている。特にito&naruさんは連日山行の疲れを感じさせず楽しそうだ。 ここからはだんだん尾根が狭くなる。通常はこの付近はクラストがひどくてアイゼンを使用することもあるのだが、今日はとても柔らかい雪質だ。しかし、だんだん視界が悪くなってきた(写真8)。 このあたりで後から上ってきたhiroさんとI崎さんと合流。かなりのハイピッチだ。 hiroさんはテレマーク、I崎さんはスノーシュウ&ボード。 12時40分 1565m 滑降開始 天候:小雪、風速1〜2m、-17度 弱層:-20センチ、-70センチ 最適な滑降地点まで、あと50メートルは標高を稼ぎたいところだが、視界が不良になってきたため1565m地点から滑降を開始する。 とりあえず、風を避けて尾根東側のあまり発達していない雪庇下で休憩、滑降準備に入る(写真9)。 さて、ベベルイ川への谷へ降りるか尾根を降りるか判断に迷うところだ。滑降重視なら文句無く谷コースだが今日は雪崩の危険性が高い。 ベベルイ川の谷は、積雪の状況といい斜度といい見るからにやばそうな感じなので、弱層試験を行うことにした(写真10)。 hiroさんとM黒さんが弱層試験を行い、-20センチと-70センチに弱層を確認したが、ハンドテストの結果危険度はそれほど高くないと判断して谷へ滑降することにする(谷の写真は、くらすぎてほとんど写っていませんでした)。 まず私が撮影のため一番槍で斜面の中腹へ降りるのだが、雪崩のことが頭にあって緊張が走る。 「もし私が雪崩れに巻き込まれたら、埋没地点をよく見ていてくださいよ〜!(^_^;)」などと念押しして、滑降開始! !・・・信じられないほど極上のパウダー!。深い雪なのになんの抵抗も感じず、スムーズに曲がれる。 2ターン目、3ターン目とスピードが乗っていくと板の浮力を感じ、言いようの無い快感に包まれる。できればこのままずっと降りていきたい!でも、撮影しなくちゃ・・・・ 断腸の思いで滑降を思いとどまり、撮影ポイントへ移動する。 滑ってみて雪崩は大丈夫そうな感触を得た。大きく手を振って心配そうにこちらを見ていたメンバーに滑降を促す。「最高の雪質だぞ〜!」 二番槍はA部さん(写真11)、と、思ったらすぐに転倒している。先ほどM黒さんが弱層試験で掘り出した雪の塊に足をとられたのだ。 気を取り直して再滑降。雪崩を警戒してゆっくりと足元を確かめるように滑っていく。 かなり安全性が確認できたので、次からは派手な滑降に移る。その様子はこちら(写真12〜19)。 テレマーカーのとりを務めたのは、本日期待のテレマーカーhiroさんだ!が、すぐに転倒。今度はhiroさん自身が堀った弱層試験の穴に落ちたのだ。 皆さんも、弱層試験の穴、掘り出された雪の塊にはご注意ください(^_^;)。 このまま谷底まで降りていきたかったが、上部からの雪崩の危険性を考えて早々にトラバースして尾根上のコースへ復帰。 その後は、樹林帯の中をパウダーを蹴散らしながらの滑降。これもまた楽しい(写真20〜23) 雪崩の危険性が無いので、実にリラックスして滑れる。しかし途中には樹林の密なところや急斜面もあるので注意されたい。 14時35分 バーデン上富良野 出発地点へ到着 ジャイアント尾根を降りきってから(小さな滝がある)、シールを取り付け北尾根を越えて帰還。 ここはコース取りによっては、シールを付けなくても帰ることができるが、いずれにせよ北尾根の急斜面は樹林も密すぎて滑りを楽しむことはできない(写真24)。 砂防ダムから道路へ上がり、しばらく車道をスキーで歩いてバーデン上富良野へ到着。 皆さんお疲れさまでした。 感想: 昨日に引き続き雪量、雪質共に満点です。ただし、この季節のジャイアント尾根からベベルイ川の谷への滑降は雪崩の危険性が高いです。くれぐれも注意してください。 今回の山行では特に漁師テレマーカー達(釧路労山の方々)にお世話になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。 |
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