2000.12.10(日)

三段山

ホワイトアウトの誘惑

メンバー:旦那,キ,Hiro 計3名

やっと今シーズン初登頂。
ホワイトアウトの山頂でしたが、冬山らしく良い感じで、悪天候を楽しめました!
山行記録目次
Top Page

山行マップ(GPSトラックデータ付き)



写真 1,2,3,4

結果:登頂
天候:雪とガス
風速:1〜15メートル
気温:-5〜-15度
雪量:不足気味だが、山スキーは可能
雪質:ウインドパック 難しい。樹林帯はパウダー

札幌から富良野スキー場へ嫁とお客さんを運んでからの三段山。天気予報は最悪!なんとも楽しみではないか!

10:16 白銀荘
天候:雪 無風 -5度
超ツルツル路面に弄ばれながら到着してみると、白銀荘は白いガスに覆われていて、なーんとも不気味な雰囲気だった。
ここで、キ様と今回初めてお会いするHiroさんと合流。今日は悪天候が予想されるが、このメンツならかなり無理がききそうだという印象を持った。ひさしぶりに悪天候を楽しめそうだ。
駐車場を見ると、ミゼットIIが居る!(写真1)後で、この車で釧路から4時間かけて二人乗りでやってきたというテレマーカーと会った。ここまでたどり着いたこと自体が奇跡、最大の難関だったという。凄い!テレマーカーの鏡だ。すっかり気をよくして、ホワイトアウトの世界へ出発(写真2)。
このあたりの積雪は十分、笹はすっかり埋まっている。
一段目(写真3)では、釧路労山の方々が登り返して滑降を楽しんでいた。稜線は視界が悪くて引き返してきたという。

11:04 二段目
二段目までは、かなり雪が積もっているのだが、それよりも雪質が深刻だった。ウインドパックされていて表面が堅い。試しに少しラッセルしてみると、スキーのトップが出なくて苦労する。かなり下りで苦労しそうだ。
このあたりで、続々と登頂を断念して引き返してきたパーティと出会う。
我々も大抵二段目の上から天候が一変するので、早めに防寒装備を準備した。
二段目の上で、一瞬ガスが晴れて山容が見えて雪の少なさに驚いた(写真4)。ハイマツを避けて北東の尾根の稜線ギリギリを登ることにするが、雪庇が怖いので良くチェックする。

11:29 三段目
天候:雪 風速:5メートル 気温:-8度
本格的な悪天候へ突入。風が強くなってきた(写真5)。
視界も落ちてきたので、ここからデポ旗を打ち始める。
Hiroさんは、こまめに地図で現在位置をチェック(写真6)。キ様は最新のGPS(eTrex-Summit)で位置と高度の確認(写真7)。
この後、通称「廊下」で大休止。ここは風が弱まる最後の地点なので早めに昼食を取った(写真8)。
やはり、ビールのボトルカンは偉大だ!途中何度でも飲み分けできるし、最後に余ったビールも温泉で飲めるので無駄がない。
まったく冬山向けのビールである。冬山ビール党の貴兄にもぜひお勧めする。もうすぐペットボトルビールが出るはずなので、そうなると飲み口に唇が氷結してくっつかなり、ますます好都合だ。

四段目(最後の急登)では、通常のコースが積雪不足なため若干南西寄りの谷を詰めた。山頂までは稜線を少し歩くことになるが仕方ない。
四段目の上部で視界は15メートル程度、風速も10メートルと、かなりきつい条件になってきた。デポ旗も尽きたので、スキー板をデポ旗代わりに稜線へ残置する。ここからはツボ足で山頂へ向かう。
稜線で一輪の可憐な花を見つけた(写真9)。通称”しょんべん花”。小便部分だけ氷結して、周りの雪が風で飛ばされて形成されるものだ。美しい・・・訳がない!

12:45-12:50 三段山山頂
天候:雪 風速15メートル 気温:-15度
よろめいたり、埋まったりしながらツボ足で山頂へ到着。思わず感激の握手をする(写真10)。
凍り付いた三段山の標識が出迎えてくれて(写真11)、やっとここへ帰ってきたという実感が湧いた。ホワイトアウトでも三段山の山頂は格別だ。ほんとうにうれしい。
しかし、うれしさに浸っているうちに顔とかつま先が凍りはじめたので、とっとと下山する。

スキーデポ地点で(写真12)、素早くテレマークスキーを装着し、滑降開始。
視界が悪くて、雪面の様子がほとんど分からない。四段目では、ほとんどボーゲンや斜滑降を強いられた。たまにテレマークターンを試すと、ウインドパックされた雪面が体を吹っ飛ばしてくれる。
特に、Hiroさんが鋭い突っ込みの後(写真13)、見事に何度か吹っ飛ばされていた。しかし、うまい!
前半ビンディングのトラブルに泣いたキ様も、後半は良くパウダーに乗っていた(写真14)。
私?私は慣れないK2 Heli Stinxに翻弄されていた。軽くて良い板なのだが、今回は雪が悪すぎて、何度か雪面にたたきつけられた。
Heli Stinx初乗りの印象は、悪雪に強くパウダーでもかなり浮く感じ。しかし、三段山の短い滑降ではまだ判断はできない。ゲレンデでじっくりと乗ってみたい。
ロッテフェラーTRP100(リリース)は、解放値スケール7では、なんでもないところではずれる。仕方がないので現地で解放値をマックスの8に設定した。

一段目付近の樹林帯は本当に良い雪だった。今日のような日は、無理に山頂を目指さずにここを登り返して楽しむのが正解だろう。でも、僕らは三段山クラブ、イカレポンチは時々無性に山頂を欲するのだ。
ここへきて、ますます飛ばすHiroさん(写真15)、スキーを浮かしながらのチョッカリ!

14:20 白銀荘 到着
天候:雪 無風 気温:-8度
今回は、新規オープンしたカミホロ荘へ入浴。入浴料は600円。
出来たてだけあって、ヒバとヒノキの大浴場が良い香りに包まれている。うーん素晴らしい。露天風呂も良くできていて、実にビールが飲みやすい設計になっている。以前は無かった休憩室もできていてお勧め。

感想:
雪がまだ少ないなあ。三段山は十分雪が降っても強風で飛ばされるので、二段目から上では、すぐにハイマツが出てしまいます。
一般的なコースだと、このような状況下ではハイマツが多くて滑降は危険ですが、今回のように東の尾根ギリギリのコース取りか、思い切って西側の谷を詰めるとなんとか滑降も可能になります。
冒頭のコース図を参考にしてください。
しかし、東の尾根ギリギリを滑る際にはナマコ尾根側へ転落しないように、くれぐれも雪庇にご注意ください。
写真5
写真6
写真7
写真8
写真9
写真10
写真11
写真12
写真13
写真14
写真15


山行記録目次
Top Page