1999.12.30

三段山スキーツアー

ああ、とうとう捻挫しちゃったのね

メンバー;旦那,G,E山 計3名

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ゾンメルスキー、テレマーク、山スキーの三者バラバラ混成部隊。
天候はまずまずで、Goodな山行になる予定だったのだが!

結果:捻挫
天候:曇り時々小雪
気温:-5〜-12度
積雪:若干少な目だが十分滑降可能
雪質:パウダー
コース:三段山白銀荘コース(夏道コース)

8:30 旭川 雪 無風 -2.5度
今回はスペシャルゲストとして、三段山クラブ稚内支部のE山さんが駆けつけてくれた。稚内から旭川までは車で4時間ほどかかるので、今朝は午前二時半には家を出てきたたそうだ。その熱意に頭が下がる。
彼はゾンメルスキー乗りだ。ゾンメルスキーとは巾広のスキー板の裏一面にシールが接着してあるもので、彼はそれに普通の長靴!を履いて使っている。ちなみに絞め具は革のベルトだ(写真1)。
猟師じゃあるまいし、ゾンメルと長靴との組みあわせで冬山を登っている人はまず居ないのではないか?革靴とプラ靴の優劣を論じるレベルを超えた存在である。
しかも彼はこの装備で旭岳の山頂を踏んだ実績がある。なんだかうれしいではないか。
もう一人は、今シーズン初登場の山スキーヤーで沖縄出身G君。彼も三段山にとり付かれた男で、三段山暴走機関車の異名を持つ。彼が滑降してきたら激突される前に逃げたほうがよい。今日は二日酔いの魔の手を 振りきって無事参加してくれた。
妻は家で大掃除をやっているはずである。バチがあたりそうだ。

10:00 白銀荘到着 曇り 無風 -5度
天候はそれほど良くないが、十分山頂は狙えそうだ。
さすがに年末のせいか、他に登山者が見当たらない。
すると、そこへ見覚えのある家族連れが・・・おお!貴方たちは昨年の同じ時期に一緒に登った山好き一家ではないですか!お久しぶりです。
今年も三段山を一家で登るのですね。

10:15 白銀荘出発
山好き一家のトレースをたどる、だらしない三段山クラブ。バチが当たらなければよいが(写真2)。
一段目で山好き一家が立ち往生してしまった。息子さんのエメリー(山スキービンディング)がバラバラになったのだ(写真3)。お気の毒だが修理不能である。私は過去に4度ほど山中でビンディングが破損した現場を目撃したことがあるが、そのうちの3件がエメリーである(1件はジルブレッタ)。エメリーは強度に問題があるのではないだろうか?
そこからラッセルの先頭を交代して進み、2段目でひと休み。ここでなにを思ったか旦那がワインを飲み出す(写真4)。登坂中の飲酒は心臓に負担をかけるので厳禁である!おそらく後でバチが当たるだろう。

2段目の上で、他のルートをたどって来た登山者が下山を開始していた。視界があまりよくないからだろう。しかし、デポ旗を打つほどではない。雪質は最高だ。と、ここで突然ゾンメルスキーのE山さんが走り出す!さすがに ゾンメルスキーの登坂性は高いなぁ。いや!それ以上にE山さんの体力がすごい。彼は大学在学中に天文クラブの夏季合宿で毎週札幌から富良野まで自転車!で通っていたというが、そのエピソードもうなずける。それにしても三段山を走って登る人は初めて見た。

3段目で休んでいると、山好き一家が追い付いてきた。息子さんは温泉へ戻ったとのこと。私はなぜかこの一家の旦那さんと趣味が合う。「おや、それはDVカメラですね」「ほう!そちらはSONY DCR PC-1ですか・・・」「デジカメは東芝の・・・」なぜか始まる電気製品談義。
あきれて私を置いて出発する三段山クラブ員達。見捨てないでくれぃ!
ここから上は一面バージンスノーで、雪が軽いためラッセルも楽。「僕の前に道はない、僕の後に道ができる」状態だ。実に気持ちがいい(写真5)。

13:10 山頂 小雪無風 -12度
山頂で堅く握手を交わす三段山クラブ員達。残念ながら雲が厚く周囲の景観は望めないが、ほぼ無風で絶好の宴会日和だ。
早速宴会開始。まずはビールで乾杯だ(写真6)。おお!E山さんが日本酒ラッパ飲み。G君はスモークタンを繰り出す。私はまたしてもワインとビールのチャンポン。山好き一家もお招きして大いに盛りあがる。

13:40 運命の滑降開始。
ノートラックの斜面を降りる。いつもならクラストしている山頂直下も粉雪で最高のコンディションである。
いつもの谷に入り、テレウェーデルンでカッ飛ばしていく。このあたりはハイマツも無い・・・筈だった。
突然スキーが何かに獲られて体が前方にフッ飛ばされる。起き上がろうとするが左足に激痛が走り、しばらく動く事ができない。やられた!足首を傷めた事はすぐにわかった。問題は骨折か捻挫か。恐る恐る足を動かしてみて、骨折でない事がわかりほっとする。
やっと顔を上げて振り向くと、転んだあたりにハイマツが顔を出していた。雪の下にハイマツが隠れていたのだ。
プラ靴がうまくギプス代わりになってくれて、なんとか自力で降りられそうだ。やれやれ、滑降開始5分でこの様である。
何時かはこうなると思って、せっかくリリースプレートTRP100を付けていたのだが、肝心なときに全然開放してくれなかった(泣)。
おそらく、今回の転倒時には主に前方と捻れ方向に力がかかったと思われるので、左右に開放する仕組みのTRP100は作動しなかったのだろう。開放値を最大に上げてい たのも原因かもしれないが*1。

あとは、素晴らしいパウダーを横目にみながら左足に負担を掛けないようにヘナヘナと降りるしかなく、まったく面白くない(やっとバチが当たった)。
それに比べて他の三段山クラブ員の楽しそうな事。山スキーヤーのG君は相変わらず見事な暴走ぶりだし(写真7)。ゾンメルスキー+長靴のE山さんは、ヤジロベエのように絶妙なバランスを取りながら滑降し(写真8)、時々回転のかかった凄い転び方をする(写真9)。はやり滑降に難がありそうだが、極めると万能な板なだけにおもしろそうだ。
三段目の上部まで下ったところで、ベテランのオーラを放つ単独行の山スキーヤーが登ってきた。何か強く惹かれるものを感じて挨拶しに行くと、「旦那さんですかー?」「?」「H川です。白銀荘に回転灯のついた車があったので・・・」「!」北海道のクロカン事情紹介のページで有名な山スキーヤーのH川さんである。メールは何度かやりとりしていたが、今回が初対面であった。
ここでH川さんはシールをはずして一緒に滑降してくれるという。恐縮である。
あいかわらずへろへろとしが降りる事しかできない私に対して、H川さんはビュン!と目にもとまらぬ早さで滑り降りていく。三倍速再生でビデオを見ているようだ(写真10)。うーん上手くて早い。あっ!H川さん、そこはハイマツがあって危ないですよ!・・・あっ転んだ!転び方も豪快だ!でもいいなあ、ちゃんとジルブレッタが開放してくれるだもん(しつこい)。
山から降りると、H川さん自慢のキャンパーが駐車していた(写真11)。早速おじゃまさせてもらう。キャンパーの中はとても快適で、お茶をごちそうになりながら、しばし楽しい時を過ごさせていただいた。H川さん、その節はお世話になりました。
E山さんも、今日中に無事家へたどり着けたのでしょうか?ほぼ24時間行動ご苦労様でした。

さて、今回は旦那が率先して怪我をしてしまい、皆様にはご迷惑とご心配をおかけしました。三段山はハイマツの伏兵が多いので皆様もお気を付け下さい。

*1:今シーズンは、ロッテフェラーのリリースプレートTRP100にチリを組み合わせて使用していた。
チリは良い案配なのだが、リリースに関しては開放値をいくら調整しても登坂中に何かの拍子で開放してくれる(; ;)。仕方ないので開放値=scale8(ほぼMax)で使用していた。
とりあえず、TRP100は少なくともスキーツアーには不向きなようなので、リリースを別のものと交換することにする(と言ってもあまり選択肢はないが)。

後日談:旦那は、右肩打撲と左足首は捻挫(全治3〜4週間)という診断でした。

写真 2
写真 3
写真 4
写真 5
写真 6
写真 7
写真 8
写真 9
写真10
写真11
写真 1
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