2000.5.5(金)〜7(日)
中岳温泉スキーツアー(前編)

(温泉と酒とスキー三昧)

メンバー;旦那,K藤,A部,N崎,K原 合計5名

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今回は写真が多いため、写真だけ別ページに掲載しました。
そちらとこちらの二つのウインドウを同時に開いて見ると便利です。
コースマップはこちら
さてさて、待望の中岳温泉ツアー。もちろん温泉っていっても設備はなーんにも無いところだよ。でも、そこが気に入っているのさ。
周囲は涎のでそうなゲレンデだらけ、野趣あふれる温泉があり(長く入っていると体が痒くなる)、夜には降るような星空が広がり・・・ここは桃源郷。スキーパラダイス。
今回は前編と後編に分けて紹介します。お楽しみに!

結果:中岳温泉へ到達。安足間岳、旭岳、大塚山登頂。熊ヶ岳は直下で撤退。
天候:快晴 無風〜弱風
積雪:豊富
雪質:ザラメ
コース:旭岳温泉〜姿見の駅〜中岳温泉 (安足間岳、旭岳、熊ヶ岳、大塚山などなど)

そのとき、私は極限のハンドリングでタイトコーナーをクリアしていた。
タコメーターはレッドゾーン。水冷直列四気筒DOHC2000ccエンジンが咆吼し、車体は軋みをあげる。
「遅刻だー!」すでに時刻は9時15分。約束の時間は9時。
家を出る直前の便意が・・悔やまれる。いや!うんこに罪はないのだ。悪いのは私・・
愛車ステップワゴンを初めて全速運転して、やっと旭岳ロープウエイ駐車場についたのは、9時30分頃だった。みんな!すまねい!
あきれ顔のA部さん、N崎さんにヘコヘコ謝った後、ビジターセンターへ登山届けを出し、駐車場で寝ていたK藤、K原さんを起こし、ソリのセッティングを行う。
中岳温泉ツアーではビールの消耗が激しいため、荷揚げ用のソリは必需品なのだ。ちなみに、このソリは私の職場のゴミ運搬用のソリ。
昨年度の遠征では下山時にソリが暴走して大変だったが、今回は”コントロール・バー”を開発して装備した。下山時が楽しみだ。

10:00旭岳ロープウエイ駐車場出発
天候:快晴無風 気温15度
素晴らしい天候だ。良すぎて暑い。駐車場からソリ(さわやか一号)に大荷物を積み込んで荷揚げ登高を開始する(写真1)。コースはロープウエイ工事用の車両が作ってくれている作業道。ラッセルも無く、雪面のコンディションは良いのだが、思ったよりソリを引っ張る負担が大きい。
5名で引っ張っているのだが、このままの配置では片寄った人に負担がかかることが判明した。

10:57 二股到着
快晴無風 気温14度
日差しが強いので、日陰を探して休憩する。ここで長老(A部さん)の指導でソリを引っ張るロープの配置を変えてみる。かなり負担が均等に配分されるように改善されて再出発(写真2)。このあと天女が原駅の手前に全コース中で一番の急坂が待っていた。
つ、つらい。ソリに引っ張られて後へ滑り落ちそうになる。しかも下からは工事用圧雪車の轟音が近づいてくるのに、狭いコース状で逃げ場は無い。ダッシュで広い場所までソリを引っ張り上げたが、圧雪車はだいぶスピードダウンして私たちを待っていたようだ。あんまり哀れに見えたのか、追い越し際に止まってくれて、上まで乗っていけという。
ありがたい!嬉々としてソリを荷台に押し込み、我々も乗り移る(写真3)。なにを遠慮することがあろうか、私たちは登るのが目的ではない。滑るのが目的なのだ!

12:04 姿見の駅
快晴無風 気温14度
アッという間に姿見の駅に到着。こんなに楽でいいのだろうか?ドライバーにお礼を言いながら降り立つと、旭岳が出迎えてくれた。
さあ、昼飯だ!!

12:33 姿見の駅出発
旭岳という最高のつまみをさかなに、一人でビールを飲む私。すみません。好きなんですビール。
そんな、呆れないで下さい。おお、N崎さんはカップヌードルを作っている。
さあ、旭岳を右前方に見ながら出発だ(写真4)。

13:56 1724m地点小休止
快晴無風 気温22度
ここからは、比較的平坦な斜面をトラバースしていく(写真5)。谷や尾根をうまくまくのがコツだ。そのため、コース取りが難しい。いかにエネルギーを無駄にしないで進むか。目標物があまりないので、GPSが現在地を特定するのに役に立った。あとから知ったのだが、この時にはすでにGPSの誤差情報がアメリカの英断で解除されていたのだ。したがって、かなり正確に現在地を把握していたことになる。
このルートでは、GPSは有効だ。しかし、念のためにデポ旗も打ちながら進む。今年のデポ旗はこの日のために私が改良した2000年型スパイラルモデルだ。
引き抜かれ防止に棒にテープがスパイラル状に巻いてあり、その先におしゃれな布きれが結ばれている。スパイラルに実際に効果があるかどうかは別にして、素敵だ!(ホレボレ)
途中で崖を狂ったように攻めているテレマーカーの一団を見かけた。世の中には大変にイカレた人が居るものだなあ。と人ごとのように賞賛していたら、それは、北北海道不良テレマーク隊の一団だった・・・・。うーん、神出鬼没。
ちょっと、コース取りをミスって、急な斜面をトラバースすることになってしまった。こいつは、きつい(写真6)。くれぐれもコース取りは慎重に・・・。
途中で10台以上のスノーモービルのトレースを見つけた。やはりゴールデンウイーク中にここら辺を走り回った馬鹿者が居たのだ。

15:40 中岳温泉到着
気温13度
やっと到着(写真7)。他のテントはパークボランティアの方々のものが一つ。もう一つは北大のもの。さらに単独行の方の雪洞が一つ。
そして、段々畑状に北北海道不良テレマーク隊のテント村があった。
さっそく北北海道不良テレマーク隊のテント村と他のテントの間に、我々の巨大宴会用テントを設営する(写真8)。
このテントは、私の結婚祝いに友人達が贈ってくれたオートキャンプ用の巨大なドームテントだが、まさかここで使うとは思わなかった。山用の小型テントと比べると実に居住性が高くて快適だ。春山で気象条件が安定しているなら、このようなオートキャンプ用テントを使ってみるとおもしろい。重量はかさむが今回のようにソリを使った荷はこび時にはあまり影響はない。

付近にトイレや食卓テーブルなどを構築し、早速夕食の鍋をつつく。夕食後にはテント内で北北海道不良テレマーク隊とともに大宴会。銘酒”越乃寒梅”なども持ち込まれて(一升瓶のまま(^_^;))、大いに盛り上がった。その後は、素晴らしい星空を眺めながら露天風呂につかり就寝した。明日が楽しみだ。

5月6日6:00起床 8:30出発
快晴無風 気温15度
さて、予定通り起床してから、のんびりと準備を整えていると、北北海道不良テレマーク隊はが負傷者(捻挫らしい)を肩車しながら先発して降りていった。幸運を祈る(写真9,10)。
大雪山パークボランティアの方々とも、お別れだ。共にスノーモービルを監視するとという目的を持つ、同志である。実に沢山の差し入れ、ありがとうございました(写真11)。
我々は特に厳密な計画を立てていなかったが、昨日登りながら良さそうな斜面の目星をつけておいた安足間岳方面へ出発することにする。
K原さんは、のんびり昼寝や読書をしながらベースキャンプで過ごすという。留守番をお願いして、12時までにキャンプへ帰ってく予定で4名で出発(写真12)。

10:15 安足間岳山頂到着
快晴 風速2メートル 気温15度
雪質:もなか
安足間岳の直登コースをシール登高していった(写真13)。雪質も安定しており、ぐんぐん高度が稼げる。振り返ると旭岳がよく見えた。すぐ頂上に立てるだろうとタカをくくっていたのだが、麓からみた山頂は山頂にあらず、登る程に新しい山頂が現れてなかなか着かない。
傾斜も急になり、ここを”俺達のピーク”(出た!)にして降りようかな・・・と思った頃に平坦な山頂へ到達した(写真14)。
ここで、やっと愛山渓方面の大パノラマが見ることができた。足元を見ると西側に雄大な大雪渓も見える。いつかここを大滑降したいねと4人で盛り上がった。
少し下から雪で冷やしておいたビールで乾杯する。素晴らしい景色が惜しくてなかなか降りられない。

10:40 安足間岳 下山開始
たっぷり30分弱も山頂で過ごしてから、滑降を開始する。私はともかく、A部さんやN崎さんは目つきが変わる。やる気満々だ!
私が先行して、下でカメラを構えていると、来た来た!まず、山スキーヤーの二人が最高の背景の中をシャープな滑りで吹っ飛んできた(写真15)!とてもダイナミックで安定した滑りを見せる!感心していると、さらにテレマーカーK藤君も降りてきた(写真16)!彼は、文字通りスキーの先端が雪に刺さって吹っ飛んでいた。うーん。
安足間岳の麓には、大塚山という急峻な小ピークがある(写真17)。普通は眺めるだけで終わるピークだが、一部のイカれ者(誉め言葉)にとっては、何故かそこをスキーで滑り降りたくてたまらなくなるところらしい。さっそく大滑降!大成功!でも、滑りに納得がいかないとかいって、また登り返している(写真18〜21)。うーん。もうお昼だよ!!

12:00 ベースキャンプ到着 昼食
滑り足り無そうな面々と、ひとまず昼食と取りにベースキャンプへ戻る(写真22)。
留守番のK原さんと、昼食・・・だけですむはずが無く、ビールで乾杯・・・・で済まず、とうとうワインを飲み始める。わはは(写真23)。
酔っぱらいながら、午後の攻撃計画を練る。今度は熊ヶ岳のあたりを攻めよう!

以下、後編につづく。

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