2000.3.11

三段山スキーツアー

猛吹雪の中登頂。吹雪を楽しんでみよう!

メンバー;旦那夫婦,Sさん,A藤さん,M谷さん 計5名

山行記録目次
Top Page

写真 3
写真 2
写真 1
本日の悪天候の犠牲者は、場慣れしている私と妻とSさんの3名のテレマーカー。そして、クロカンで鍛えていて滑降テクも高い山スキーヤー2名。さあ、皆で吹雪へゴー!

結果:登頂成功
天候:曇り〜ひどい吹雪
気温:-5〜-15度
積雪:十分
雪質:若干重い深雪、ところどころ悪雪。
コース:夏道コース

10:12 白銀荘
天候:曇り無風 気温-5度
三段山の麓は風も無く、気温も高め(写真1)。しかしこれにだまされてはいけない。上空はかなり風が強そうだ。しっかりデポ旗を持ち、アバランチビーコンも装着する。
ここ何日かの雪が膝近くまで積もっていたが、先行者の立派なトレースをたどることができた(写真2)。
2段目あたりから風雪が強まり、三段山は野生の本性をむき出しにし始めた(写真3)。
ここらで対風雪装備を固めておこう。帽子とフェイスマスクを被り、フードで固める。

12:00 三段目
天候:吹雪 強風視界不良 気温-12度

次第に視界が悪くなる。3段目からデポ旗打ち開始(写真4)。
視界との兼ね合いを考えながらデポ旗を最低限の数で効率よく打つのだが、帰りにその読みが当たるかどうかが楽しい。
登りはめったに迷わないが下りが怖い。三段山では、たいてい下り方向が風上となるので、よく視界が奪われるのだ。
雪も重たくて難儀する。このあたりではラッセル跡は強風であっと言う間にかき消されてしまう。
先行者が4段目手前で撤収準備をしていた。すでに視界は30メートル程度で気温も急降下している。普通はここから撤退するところだろう。
でも三段山なら、相当な悪天候でも登頂が可能だし、とても良い訓練になる。さあ吹雪も楽しもう!
1時に合流することになっていた秀岳荘ツアー一行に、合流できない旨連絡しようと携帯電話から電話をかけてみたが、白銀荘のカウンターと数語話しただけで金属音が鳴りっぱなしになり、使用不能になってしまった。舌打ちして電源を切る。
尾根に出るとさらに猛烈な風になり、帰路に崖尾根へ転落することを警戒してスキーをデポした。ここからはストックだけ持って坪足で登る。ゴーグルを着用しないと目が凍り付く(睫毛が氷結して目が開かなくなる)。

12:55 山頂
天候:ひどい吹雪 強風視界不良 気温-15度
よろめくようにして山頂に到着。標識に抱きつく妻(写真5)。
視界は10メートル程度。時々突風が身体を突き飛ばす。もちろん登頂と同時に即下山だ。
「降りるぞー!」と大声で怒鳴る。今日はさすがに山頂ビールは飲めない(苦笑)
尾根上で大急ぎでスキーを装着して降りたが(写真6)、視界は一面真っ白でバランス感覚が狂う。特に先頭を行くと、滑っているのか止まっているのか、はたまた空を飛んでいるのかわからなくなる。そのうち急に雪面に顔面を打ち付けられて、滑降中に転んだことがわかるといった具合だ(これを雪酔いというらしい、ひどいときには本当に吐きそうになる)。
はぐれないようデポ旗ごとに人数を確認しながら降りていった。まさしく地獄のような状況だったが、たまには吹雪を楽しもう!デポ旗とダンスするsさん(写真7)。
丁度良い機会なので妻にコンパスの使い方の訓練をさせる。今度、もっと余裕が出てきたらツエルトを張ってみようか。

とても深い雪の中、顔まで粉雪を吹き上げながら順調に高度を下げてきたのだが(写真8〜10)、途中二段目と三段目の間の斜面で、Sさんが転倒し捻挫してしまった。今日は、雪が若干重いうえ部分的に堅い吹き溜まりがあり、そこへ突っ込んだらしい。吹雪を楽しむのは良いが、こんな落とし穴もあるので油断はできない。幸い軽傷だったためそのまま降りたが、今年の三段山は負傷が多い。

かなり標高を下げてほっと一息ついているところで、パークボランティアの方々と出会い、スノーモービル問題について意気投合する。
樹林帯の中でビール&昼食を取る予定だったが、捻挫の応急処置を優先してそのまま白銀荘へ下ることにした。

しかし、その途中で異様な一団が登ってきた。妙に密な隊列を組んでいて不気味である。彼等はいったい何者だ?
続きは次号、刮目して待て!(なーんて)

注)
決してお勧めはしないが、あえて厳しい自然環境に身を置いてみると、意 外と楽しい。ただし油断はないように、デポ旗、コンパス、地図、GPS、無線機などの装備で、しっかり安全を確保するのが前提である。
写真 4
写真 5
写真 6
写真 7
写真 8
写真 9
写真10
写真11
山行記録目次
Top Page