2000.3.5

狩振岳スキーツアー

濃い樹林帯は素敵だが、
テレマーカーにとっては鬼門!

メンバー;旦那夫婦,K藤さん,長谷川さん,

adachiさん,N川さん夫婦 計7名

山行記録目次
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狩振岳地図(クリックで拡大)

写真 3
写真 2
写真 1
数日前に、長谷川さんから狩振岳へ行くという話をきいていたのだが、参加を表明したのは、ぎりぎり直前になってからだった。
あまり狩振岳という山名を聞いたことがなかったので不安だったのだ。しかし、このような機会が無くては滅多に登れる山でもなさそうなので参加を決意した。
それに冬の日高には一度も入った事がなかったので、日高の雰囲気が少しでもつかめるかな?とも期待したのだ(注:登山の当日に、ここは日高とは言えないと長谷川さんに指摘されてしまった(泣))。

初めての山に入山するというのは緊張するものである。
とりあえず、地図を入手しないと話にならない。1/25000か、なければ1/50000を入手しよう。
出発の前日に札幌で地図を探す。しかし、札幌秀岳荘には無かった。ICIにも無かった。?店員さんに聞いてみよう。「すみません、狩振岳なんですが・・・」「え?そんな山知りませんねー。地図もないですよー」
結局大型書店で入手できたが、なんだか嫌な予感がしてきた。山じゃないですよ岳ですよ?それにしては、あまりにも知名度が低すぎませんか?・・・杞憂だと良いが・・・
結果:登頂成功。でもヘロヘロ。
天候:晴れ〜吹雪
気温:-2〜-9度
積雪:十分
雪質:基本的に悪雪。
コース:中尾根

新夕張駅で、7時30分に長谷川さんと落ち合い。上トマムで、9時15分にN川夫妻やadachiさんと集合する。ここで、はじめてadachiさんとお会いする。うーん。ベテランのオーラが・・足手まといにならないようにしなければ。今回の構成は、テレマーク3名。山スキー4名。最近の我々のツアーにはめずらしくテレマークが少数派だ。ここでも嫌な予感が・・・

9:55 狩振岳麓の牧場
天候:晴れ時々曇、無風 気温-2度
雪質:最中状態 ラッセルなし
当初予定していた林道は除雪されていなかったため、若干距離が遠くなったが、近くの牧場からアプローチすることになった。長谷川さんが交渉して、牧場の干し草ヤードに駐車させてもらう(写真1)。ここから狩振岳のピークがよく見える(写真2)
尾根へとりつくまで、谷を2つほど越えながら平地をトラバースする(写真3)。途中何度かスノーモービルの痕を横切った。
やっと尾根にとりついて登り始めるが、灌木が濃い(写真4)。登りでも相当じゃまだ。おまけに雪が悪くて下りが思いやられる。上部に期待しよう。

登るにつれ、だんだん樹木が立派になってきた(写真5)。久しぶりに濃い樹林帯を歩けて、とてもおもしろい。途中何度か凍裂して太い幹に一直線に割れが入った木を見かけた。このあたりは、北海道でも有数の厳寒地なのだ。
でっかい猿の腰掛けを2個も見つけた(写真6)。人も腰掛けることができそうだ。

傾斜が急になってきて、やっと灌木が少なくなってきた(写真7)。たしかに巨木の森だ。ブナ、ダケカンバ、エゾ・トド松の混合林が美しい。雪質も良くなってきたが次第に天候が悪化し、吹雪いてきた。
ハイテク登山を標榜する”三段山クラブGPS普及係”としては、このような未知の山でこそGPSを活用してアピールせねば!と、意気揚々と(ムキになって)現在位置を割り出す。しかし山のベテランにとっては、ちゃんとわかっている現在位置を確認したにすぎない(相手が悪すぎた)。でも、「ほー」とか言われてうれしい(笑)。よーし、次はカシミールで3Dルート図を作成するのだ!

11:50 標高1100メートル付近
天候:吹雪 気温-6度
雪質:堅めのパウダー
悪天候なため、稜線にでる前に昼食を済ませることにする。三段山クラブ(特に妻)はかなりグロッキーだ。私は、かなり皆さんの足を引っ張った自信がある!
「三段山クラブって言うから、三段山をガンガン登る一団かと思ったよ」と、adachiさん。「いえ、ちがうんです。ぼくら三段山をなめるように登って、テレテレ降りてくるだけの軟弱集団なんです」とか言いながらビールを飲んでいる私。反省の色なし!困ったものだ。12:10頃出発。

稜線に上がると吹雪で視界不良、しかも雪はクラストしている。スキーアイゼンが欲しいところだが、当然テレマークスキーには装着できない。
そんな中、確固たる足取りで(しかも早い)リードする長谷川さんとadachiさん。さすがだ。

12:50 山頂到着
天候:吹雪 強風 若干視界不良 気温-9度
雪質:パウダー、クラスト、最中の何でもあり状態
樹木がなく、平らで吹きさらしの山頂だった(写真8)。
標識もなく周囲は視界不良で真っ白。薄い雪の下のハイマツに足がぬかる。
登頂の喜びに浸る間もなく、到着と同時に、皆黙々と撤収準備にかかかる(写真9)。

13:00 滑降開始!
やっぱり、雪が悪いー。クラストしているかと思えば、パウダーで、パウダーかと思えばモナカ状態になり、その変化にぶつかるたびに、ぼくらテレマーカーは顔から転ぶ、転ぶ(写真10)。
その点、山スキーヤー(もちろんレベルが高い)は雪質の変化に強い。皆さん安定して滑降していくので、くやしいなあ。とか思っていると、また転ぶ。(写真11:長谷川さん、写真12:adachiさん、写真13:N川さん)
尾根から少し下の樹林帯は、広い斜面と雪質に恵まれて一瞬良かった(写真14:妻、写真15:K藤さん)。巨木を縫うように滑り降りていく。でも、その楽しみも濃い灌木地帯に到達してすぐ終わった(写真16)。
テレマークスキーは、狭い斜面での制動が難しいので大変苦労した。仕方がないので枝にぶつかるのは承知で強引に突破する。目を守るためのゴーグルが必需品である。
私はザックに差したスコップの柄が木の枝に引っかかりやすくて、何度かひっかけて転倒してしまった。おまけにコンタクトは外れるし。何故か下りの途中で、また性懲りもなくビール飲んでるし。ああ、皆さん呆れている・・快感(^_^;)。
妻も減速しきれなくて、よく転ぶ。いや、転んで減速しているのか?ちょっと、かわいそうだった。
でも妻よ。これが普通の低山雪山の姿なのだよ。三段山は例外的に良すぎるのだ。良い勉強になったね。
よれよれになって、かなり遅れた妻とともに出発地点に戻ったのが3時くらいかな?他の皆さんはかなり待ってくれたみたいで、申し訳ありませんでした。

結論!
適度な登山時間の割に野性味のある見事な樹林が見れて良かったです。
でもスキーツアーの対象としては、少なくともテレマーカーには向かない山だった。今回ばかりは山スキーが恋しかったー。(^_^;)
写真 4
写真 5
写真 6
写真 7
写真 8
写真 9
写真10
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