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2000年6月27日(火) |
少し前に新車を買った。FM・AMカセットデッキがついてきた。カセット->MDに移行してた私は、MDデッキを買うことにした。
さっそく、カーショップへ行ったが、ここは空気が肌に合わない。目を剥くような巨大ウーハーが置いてあるだけならまだしも、その回りをネオン管で囲ったものや、チンチラが飾ってあったりするからだ。こういうものは、私の美意識が激しい拒絶反応を示してしまう。 それでもなんとか気力をふりしぼりカーステレオコーナーへたどり着いた。 ここにも、醜悪なものがてんこ盛りでディスプレイしてある。 形状と色が蛍光ナマコのようにうねっていることに加え、せっかくの2DINサイズの広大なディスプレイ面をつかって、パチンコ屋のネオンよろしく意味不明のイルミネーションを踊らせているのである。 花火が上がったり、人がダンスしたり、マンハッタンがぐるぐる回ったりしている。音のスペクトラムを、よくもまあここまで醜悪にコンバートできるものだ。運転中にこんなものが明滅していて気が散らないのだろうか? 例えば、こんな具合のものを運転中に表示するのである。 ”OELディスプレイ の高速表示反応と階調表現を利用した3D動画表示、 フルモーション3Dグラフィックス。峡谷を突き抜 けるようにジェット戦闘機が飛行する「スクランブル」、海中遺跡をイルカたちが自由に泳ぎ回る 「アトランティス」などのムービーをはじめ、臨場感あふれる精緻なグラフィックを搭載。ソースチェ ンジ時などに表示される様々な3Dグラフィックスにより、車室内をめくるめくエンタテインメント空間へと導きます。”(パンフレットより抜粋) めくるめくえんたていめんとくうかん〜?頭がおかしいんじゃないか?めまいのする空間の間違いだろう。 下品なカーコンポの一例 さすがに、NAKAMICHIとかMacintoshとかのカーコンポは、見るに耐えた。しかし、高い。 ソニーはどうだ?彼等のデザインセンスとポリシーは他社とは一線を画している筈ではないか?期待は半分裏切られた。 まだ少しまともな方のソニー製品 やはり、意味のないスペクトラムがディスプレイ面で踊っている。しかし、抽象的なパターンが多くて、なんとか見るに耐えれそうだ。正確に言うとなんとか慣れることができそうだった。 こいつのうたい文句はこうだ”高コントラスト、高精細ディスプレイ面には、ジェットのコクピットをイメージしたイルミネーションが表示されます”俺達はガキか?なんでジェットのコクピットのイルミネーションに、手をたたいて喜ばないといけないのだ?しかも、わざわざ高コントラスト、高精細ディスプレイを使ってだ!激昂しかけたが、ソニーのカーコンポにはロータリーコマンダーという優れたリモコン(ウインカーとかの側に、タケノコのようなリモコンを生やすことができる)がついてくるのだ。これは他社にはないメリットだ。 ディスプレイも、表示を必要最低限のものだけにする設定くらいあるだろう。 そう思って、とりあえずカーコンポを取り付けて帰ってきた。 説明書を読む。もちろんお下品なイルミネーションをオフにするためだ。しかし!さらにお下品にするモードはあっても、オフにするモードは無い。 くくく・・・っ。仕方ない。せめてMDで聞いている曲のデータ表示だけでもまともに見られるようにしよう。(信じがたいことに、デフォルトの設定では曲のタイトルと経過時間の表示が常に上下に激しくダンスしているのだ!) ああ・・・っ。それすらもできない。OFFにするか、ダンスするかだけだ! 私は、ビデオ編集が趣味なので、通勤する途中でも作品中に使用する曲を経過時間を把握しながら何十回と聴いて構想を練っている。 その間中、ダンスする表示を見なくてはいけない!?だいたい、なぜ表示をわざわざ見にくくダンスさせねばならないのか?そして、それをやめさせる設定が用意されていないのか?こんなものに気を散らされて事故でも起こしたら、どうしてくれるのだ?車に搭載する表示機器は視認性を第一にしなくてはならないではないのか!? まったく理解できない!(ホントにかなり怒っている) と、いうわけで、私は毎日ダンスする表示に悩まされながら、イライラ運転をしている。今の世の中がおかしいという人は多いが、そのおかしさの最先端にいるのが、カーステレオなのかもしれない。世の中を見たければ、カーステレオを見よ!! ついでのお話。 職場のS君がカーステレオを買った。彼も私と同じ感想を持ったようで、一番まともと思われるおとなしめのデザインのカーステレオを買ってきた。 ところが、ショップからの帰りに気持ちよく車を運転していると、突然表示パネルにゴジラが登場して、口から吐き出す炎で表示を消し去ったのだという。 彼は発狂しそうになって、家に帰るなり説明書を必死にめくって、なんとかその表示を消すことに成功したそうだ。 ・・・・君のには、消すモードがあってよかったね。 |