テレ板の長さ、身長+?センチ
2001年5月31日(木)
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テレ板の長さ・・・みなさんはどうやって決めていますか?ふつう、身長プラス10センチとかが定説になっていたと思うんだけど、最近のテレ板のカタログを見ると身長+0〜10センチとなっていたり。テレ板だけ板のラインナップが長目になっていて、暗に長い板を推奨していたり。
長ければ長いほど良いという意見がある一方、カービング板に関しては、短めがトレンドのような気もするし・・・特にアルペン山スキーの世界では身長と同じ長さが主流になってきているという話もあるし。
ゲレンデ主体と山主体では違うのかもしれないし。

悩んで、いろいろ書籍をあたってみたけど、カービング板出現前の記事ばかりで参考にならなかったり、なぜか目的別の板の種類については詳細に書いてあっても長さについてはまったく触れられていなかったりする(この話題を避けているような印象さえ受ける)。
ブラックダイヤモンドなんかは、カタログを見ると板の種類によって推奨長さが明記してあって大変好感が持てるのだが、大抵のメーカーではそんな親切なことはしてくれていない。
そこで、2000年の10月頃に、身長175センチ、体重約80キロの私がK2 Heli Stinx(102/70/93だから、まあカービング板だね)を買うに当たって板の長さをどうやって決めたかをレポートする。

まずは秀岳荘旭川店にて(K2 Heli Stinxの購入店)、で店員さんに聞いてみた。
「やっぱり、身長プラス10センチくらいが目安。お客さんは脚力があるから、185センチでも良いのでは?180でも良いとは思いますが。」とのこと。なんとなく185にしたほうが良さそうな口振りだ。
「長い方が深雪で浮きますよ」ともいわれたので、一応185センチで予約してもらった。

ニセコを根城にしている技巧派テレマーカーN氏にも聞いたところ、かなり悩んでくれながらも、「短めの板の方がとり回しが良いし、最近のカービング板なら身長プラス5センチ程度でも良いのでは?深雪での浮力の差も、5センチ程度ならたいして気にならないだろう」とアドバイスしてくれた。
とにかく、その人の技量や主に滑るフィールドによって変わるので、一概には言えないらしい。
「自分は何本か持っていって、そのときの状況に合わせて長さと種類の違う板を選ぶからなあ」と、うらやましい事をおっしゃる。
たしかに、それが理想的だろう。
しかし、我が家の家計では、オールマイティな板を一本しか揃える余裕が無いのだった。それでも、まあ短めの方が良いだろうと言うことで秀岳荘旭川店に電話して、180センチに変更してもらった。

札幌へ行ったついでに、札幌ICIでも複数の店員さんをつかまえて聞いてみたが、どうにも要領を得ない。板の種類にはお構いなしで「お客さんなら身長プラス10センチ」と門切り口調で言われる。
迷っている客には一番無難なアドバイスなのだろう。

秀岳荘札幌店では、テレマークの権威の店員さんにも聞いてみた。
「うーん!と私をしばし見つめた後、190センチ!」とおっしゃる。
身長プラス何センチというより、ばっと見て、この性別のこの体格ならこの長さの板!と直感的にアドバイスしているようだ。おそらく長年の経験に裏打ちされたものなのだろう。190センチは想定外だったが、少しでも長い板の方が良いのかと悩み、再び秀岳荘旭川店へ電話して185センチへ変更してもらった。

しかし、まだ納得できない!真の板の長さを求めて、とうとう東京はカラファテにまでやってきた私。
うーむ。ここが東京のテレマーカーのメッカであるカラファテか。
目白のおしゃれなビルの地下。さほど広くはないがその中には豊富なテレマーク用品がびっしり。
カタログでしか見たことのない製品がそこらへん中に転がっている。
価格は・・・高いが、なにしろここはメッカだから・・・
超田舎者の私は、最初きょろきょろすることしかできなかったが、そのうち濃そうな店員さんを見つけて、ついに究極の問いを発した。「あのーテレ板の長さって、どう決めるのが良いのですか?」
「うーん、難しい質問ですね。」そう言いながらも店員の目はきらりと光った。
「えー、まず、トップの幅が100ミリ以下、センターが70ミリ以下の板の場合は・・・・」などと(ごめん、肝心な詳細を忘れた)、板を形状によって三種類に分類し、それぞれ身長+15センチ、+10センチ、+−0を基本寸法として、あとは板のフレックスや体重を考慮して調整するのだという。
板が短いと細かいターンができるというものではなく、カービングの形状によって旋回半径は板の長さに関係なく定められているものが多いそうだ。
また、短い板だと山足の板が雪に刺さりやすくなるのだという。フレックスも単に堅い、柔いではなくて、板のどの部位が堅いかによって性質が変わる等々大変勉強になる。

ふんふん・・・非常に論理的だ。今までの中では一番納得がいく。さすがメッカ。
「ちなみに、身長175の私がHeli Stinxを買う場合の板の長さは?」
ここまでの説明では185センチになるはずだが・・・
「180ですね。」あれ?そうなの?短いじゃん。ああ、そうか私の体重を知らないのね・・・着痩せ成功!
とりあえず、結論は出た。
秀岳荘旭川店へ電話して、板の長さは185センチのままで良い旨を伝え、今回の板の長さ探求の旅は終わった。(秀岳荘旭川店におかれましては、コロコロ板の長さを変更させて大変申し訳ありませんでした)

結局、K2 Heli Stinxは185センチになりました。結果は?一シーズン乗ってみましたが大正解!大変満足して使用できました。オフピステでもオンピステでも取り回しやすいし、深雪でもちゃんと浮いてくれます。キックターンも快適に行えます。

板の長さで悩んだら、やっぱり一般的な目安は身長+10センチだろうか。板の形状によって三種類に基本寸法を分けるカラファテのやり方は秀逸だよね。
あとは諸条件で微調整(これが難しいのだが)。


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