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2003年12月2日(火) |
基本的には設立当初から、全ての山情報をオープンに!をモットーとしてきた三段山HPですが、周辺状況の変化から、その方針を一部転換いたします。
三段山HPは、BCスキーの楽しさを紹介したくて作られたHPです。 今までは、少しでもBCに入る人達の参考になればという事で、情報は基本的に全てオープンとしてきました。自分がBCに入り始めた頃を思い出して、当時自分が欲しかった情報の詰まった、理想のHP作りを目指したのです。 しかし、今後は三段山HPの方針として、比較的安全でメジャーなベーシックルート以外の、危険性のあるルートについては詳しい地図情報などは掲載することを止めることにします。 BCの楽しさを紹介するという当初の目的は、三段山周辺のベーシックルートの紹介でも十分果たせたと判断します。 ここ1〜2年の、特に富良野岳におけるスキーヤー&ボーダーの増加は半端じゃありません。三年前にはほとんど人と出会うことも無かった山域なのに、今は危険な領域にも人が沢山居ます。 僕らは最近、さらに危険な領域を慎重に開拓したりしていますが、そちらにもジワリと人が入り始めています。 夏山のオーバーユース問題(環境じゃなくて、リスクの方です)を見ても分かるとおり、BCの危険地帯にも適度な抑制が必要だと思います。雪崩の起きそうな斜面の上にも下にも人が居るような状況では、いつか事故が起きるのは必至です。でも僕らには規制する権利も手段もありません。 自分達が登っているのに「皆さん、危険性のある領域への入山は控えましょう!」なんて言えませんから、僕らに出来ることは、出来るだけ警告を発することと・・情報を出さない事だけです。 昨年から、ツアー記録にベタベタと”危険!!!”とかの警告を貼り付けたりしてみましたが、このやり方もスマートじゃないし、一番それを分かって欲しい人達には伝わっていないみたいです。 一昨年までは、まだ情報を規制する段階じゃないと思っていましたが、昨シーズンあたりから、どう見てもやばそうなオープン斜面の滑降ラインをボトムから直登してくる人が増えたり(これがどういう行為か分かりますよね?本当に勘弁して下さい)、我々のトレースを勝手に付いてきて戻れなくなった人に、現在位置と帰り道を教えてあげる事も多くなりました。 このような状況を目の当たりにして、「あ、これはとうとうオーバーユースの弊害が出てきたな」と強く感じるようになりました。 これは、単に入山人数の増加という事だけじゃなくて、その場所に居てはいけない、居る資格の無い人達が増えてきたという事を示しています。冬山をゲレンデ脇のオフピステと勘違いしている人が多すぎます。 ある人は、十勝山系でも派手な遭難が何件か起これば自然と入山者が減るんじゃないか?なんて言っていましたが、そうならないことを心より祈ります。 書いていて嫌になりますが、こんな事を書かねばならないほどに、確実に十勝山系周辺の状況は変わってしまったということです。 十勝山系の、このようなオーバーユース状態に三段山クラブが一役買っているという指摘を何度も受けており、責任を感じています。 私が一番懸念しているのは、この方針転換の決断が遅すぎたのではないか?ということです。杞憂でありますように。 |