馬鹿な遊び その3
スズメバチ戦争
2001年7月13日(金)
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遊びにも創作の要素が欲しい。そして、刺激的な奴・・・。お金が無くて暇を持てあましていたときに、どんな遊びをしてきたか、一挙公開の第三弾(決してお勧めはしません)。
さて、刺激的な遊びといっても、河原で火炎瓶を作って投げて遊ぶとかは、いけません。警察に捕まります。私は、特に大学時代にその傾向が爆発して、仲間と変な遊びばかりしていました。
例えば、”スズメバチ戦争”です。


自然と闘う!良い響きですね。でも、例えば自然の中で動物と真剣勝負をした場合、一方的に蚊に刺されたり、熊に追いかけれたりするのが関の山です。

しかし、ご安心ください。自然界には互角に真剣勝負できる奴が居ます。凶暴な人類の敵・・・スズメバチです。
スズメバチは強敵です。私はすでに一回刺されているのでもう一回刺されると運が悪ければ死にます(人によっては一回刺されると抗体ができて、二回目に刺されるとショック症状を起こして死ぬことがある)。まさに命をかけた真剣勝負です。

この戦争を始めるきっかけは、私のもう一つの趣味である廃墟探訪時に、友人がスズメバチに襲われて病院へかつぎ込まれたことでした。
もがき苦しむ友人の頭の毛の中を、何匹ものスズメバチが刺しながらはい回っていた情景は、今でも悪夢に見そうです。
そのスズメバチの巣に対して、我々はリベンジを行うことにしました。
スズメバチの巣(以後「デス・スター」と呼ぶ)の場所は突き止めてあります。

命のかかっている真剣勝負ですから、出撃前に入念な準備を行います。

スズメバチ戦争の装備一覧
1.防護ヘルメット:
バイクのフルフェイスタイプを持っている人は、それを改造して首回りをふさぎます。
私は、デパートの紙袋にのぞき穴をあけ、そこへ網戸のネットを貼り付けました。装着は、手提げ紐を両腕に通して逆さまに被ります。

2.防護スーツ:
スキーウエアが最適です。そして、スキーグローブを履いて手首の部分を入念にガムテープで巻いて隙間を無くします。

3.防護ブーツ:
ゴム長靴で決まりです。これも、ズボンの裾を中に入れた後、ガムテープで隙間を無くします。

4.武器:
木の棒、百円ライター、ガソリン、フマキラー
では、以下に戦いの様子に臨場感を伝えるために「だ、である」調で記します。

さあ出撃だ!特殊防護車(3万円で買ったボロボロのシビック)で現地に乗り付けた我々は、車内でお互いの防護スーツに隙間がないか綿密な点検を行ってから、車外へ降り立った。
暑い!夏の日差しが防護スーツ内の温度を容赦なく上昇させる(真夏にスキーウエアだから当たり前)。フルフェイスを被った奴は、すでに息でバイザーが曇ってきて視界を奪われはじめた。
いかん!作戦を迅速に行わないと我々が自滅する恐れがある。

足早に敵地を行く我々の前方に、廃墟の軒にぶら下がる巨大なデス・スターが見えてきた。いやがおうにも緊張感が高まる。
大汗をかきながら、私はデス・スターに慎重に近づいた。早くも敵の斥候が警戒音をたてながら周囲を飛び回りはじめている。
フマキラーを吹き付けてそいつらを牽制しながらデス・スターにとりつき、恐る恐る木の棒で巣を突っついてみた・・・すると!
ブーン ブーン(ハチの羽音)」「うぉー!!(悲鳴)」出てくる出てくる!凶暴なハチ達が無数に巣から出てきて我々に攻撃を加えてきた!体中にハチがたかり、毒針を防護スーツに突き立てようとしている!私の防護ヘルメット(デパートの買い物袋)にも無数のハチが取り憑き、耳を弄するような甲高い羽音をヘルメット内に反響させた。
我々はフマキラーを乱射して応戦しながら、棒でデス・スターを破壊していく。
危ない!」私のフマキラーが味方にかかり、隊員の一人が咳き込んでいる!しまった同士討ちだ!
我々は、なんとかデス・スターの上部を破壊し、軒先から地面へ落下させることに成功した。
だが、戦いはまだ終わってはいない。
爆破班!前へ!」ガソリンを詰めたペットボトルを抱えた隊員が、素早くデス・スターに接近し、ガソリンを巣に振りかけた。デス・スターを爆破して殲滅する作戦だ。
待避!点火しろ!」素早く後方へ後ずさりした我々が見守る中、隊員がデス・スターからできるだけ体を遠ざけながら百円ライターでガソリンに点火しようとする。が、なかなか火がつかない。
・・・百円ライターはいつも期待を裏切らない。肝心な時に、かならずうまく火がつかないのだ!
件の隊員は、全身をハチに包まれながらデス・スターにかがみ込み、狂ったように点火しようともがきつづけている。
その時!だしぬけに、
ぼん!(爆発音)」と大きな火柱が上がりガソリンの点火に成功した。が、同時に爆破班の隊員の上半身も火に包まれている。一瞬息を飲んだが、「やべぇ〜」とか言いながらこちらへ逃げてきた。どうやら無事のようだ。
防護スーツとヘルメットのおかげで助かったのだろう。
さすが、我々だ!

こうして、敵は殲滅された。今回も危ないギリギリの戦いだった。敵も良くやった。危なく隊員の一人がバーベキュウになるところだったのだから・・・・
だが、我々に安息の日々は来ない。この世にスズメバチの巣があるかぎり。

おしまい。
どおですか?血沸き肉踊る凄まじい戦いぶりだったでしょう?これは馬鹿な遊びのなかでも、かなりレベルの高い?部類に入ると思います。
でも、さすがに今はちょっと反省しています。皆さんは決して真似をしないでください。


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