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2000年11月29日(水) |
これを書かねばなるまい、いや、思い出したくもない話なのだが、一匹のかわいそうな猫の鎮魂のためにも、全ての猫ちゃんの無事を祈るためにも。いや、もしかしたら私たち自身のためにも・・・
意外かもしれませんが、私は猟銃免許を持っています。しかし、狩りをしたことはありません。無用な殺生はきらいです。 つまり射撃競技用に所持していたのですが、そんな関係で知り合ったライフル協会の会員の方に、かなりおもしろい方がいました。 彼はいろんな特技を持っており、その一つになんでも食べることができるというのがあります。 試しに聞いてみましょう。 「カエルは?」 「おいしい。これはみんな食べるだろ?(食べないって!)」 「トンボは?」 「スナック感覚だ」 「クモは?」 「んー特にオニグモは蟹風味でうまいかな。」などなど。 こんな感じで、なにを聞いても、そのおいしさを語ってくれます。 彼には、自衛隊のレインジャーばりに非常時には何でも食べないと生き残れない!というポリシーがあるようなのですが・・・ 「そういえば、この間の猫にはまいっちゃったよー」 「え!猫も食べるんですか?」 「それがさー」 彼は、そんなの当たり前だ!という顔をした後、身の毛もよだつ話をしてくれました ある日、彼は近所をうろついていた猫を捕獲しました。もちろん食べるためです。 まず包丁の柄で猫の頭を殴り絶命させた後、台所のテーブルの上で皮をすべて剥ぎ取りました。 そして、ほかの食材の準備をするために流しに向かい、しばらくしてふとテーブルを振り返ると猫が消えていたそうです。 テーブルの下にも落ちていません。変だな?と、きょろきょろ探しているうちに、あけ放しの玄関ドアの向こうから、 「キャーッ!」という凄まじい悲鳴が聞こえてきました。 彼があわてて外へ飛び出すと、近所の主婦が手荷物を落としたまま、凍り付いたように立っていました。 「どうかしましたか?」 「今・・なにかとても気持ちの悪いものが走っていった!」顔面蒼白の主婦は、そう言って震えていたそうです。 そのとき、彼は理解しました。 猫は気絶していただけで死んではおらず、皮を剥がれたあとで息を吹き返して、玄関から逃げ出したのです。そして主婦の見たものは、皮を剥がされてこの世の物とは思えないような姿になり果てた、猫だったのです・・・・ 「いやーまいったまいった。近所の奥さんは、なんとかごまかしたけど(どうやって!?)、今度からはちゃんと殺してから料理しないといけないよねー。それにしても、あの猫どこへ行ったのかなあ。まっ、どこかでくたばっているとは思うんだけどさぁ。」 彼は少し残念そうに笑いながら語っていましたが、私は正直かなり腰が引けました。 少なくとも、この人の住んでいるアパートのそばの犬や猫は、うっかりしていると食べられます。 ご注意ください。 「まあ、猫に限らずおおよそ食べてないものは無いよ!」 自慢げに語る彼の話を聞いているうちに、ある恐ろしい疑問が浮びました。 「○口さん、まさか・・・人間は・・・食べていませんよね?」 彼は、にやにやしたまま、答えてくれませんでした。 |