北海道辺境事情その1
クマのプーさん事件
2000年9月18日(月)
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私、少し以前まで北海道の辺境をよく仕事でまわっていました。
そんな中で、思い出深い出来事を紹介します。

ここは、道東の山奥。津別町上里小学校。

津別町のHPには、次のように書いてあります。
「現代の子どもたちにとって、自然は、テレビゲームやアニメの世界より遠い世界かもしれません。
風のにおいを吸い込みながら、迷うほど鬼ごっこに夢中になったり、湧きい出る清水の冷たさに震えたり、木々の威容におびえながら冒険を楽しんだり、小さな虫の死に涙したりする、そんな自然とのつき合いを空想の中でするには、まだ早すぎますよね?」

良い文書ですね(^_^)。さっそくそのすごい自然を感じさせるエピソードを見つけました。たしかに、テレビゲームやアニメの世界より凄いです。
題して、「くまのプーさん事件」です。

3年ほど前に私は、試作した学童用机椅子を実証試験することになり、北海道中の児童数の少ない学校へ試験的に持ち込んで様子をみることになりました。
上里小学校も、そのうちの一校で、全校生徒数が、先生の数とどっこいどっこい(現在6人がふるさと留学中で、全校児童数は10人)という小規模校です。
学校の先生と職員室でお話していると、小学生の女の子がお茶を入れて持ってきてくれます(^_^)。しかも、そのまま先生に甘えながら話の輪に加わっています。とっくに授業は終わっている筈なのに生徒達が何人か職員室で遊んでいました。
もはや先生と生徒と言う関係ではなく、家族みたいな関係になっています。学級崩壊など、ここでは起こり得ないでしょうね。

さて、打合せが終わり、教室で学校の机・椅子の調査を行うことになりました。ここは児童数が少ないので、全校生徒が一教室で授業を受けています。
調査中も、ずっと子供がべったりと私たちにまとわり付きます(^_^;)。お客さんが珍しいのだと思いますが、人なつこさも人一倍ですね。

調査の合間の一休み時に、その教室の壁に学級新聞を見つけました。
なにげなくタイトルを見ていると、「くまのプーさん、ついにつかまる!」と書かれています。
さすがに子供だ。ディズニーアニメのプーさんをモチーフに、夢物語をつづっているのだろう・・・と微笑んでいたのですが、記事の内容に目を通してぶっ飛びました。

「○月×日、○○さんの本家に、くまのプーさんがあらわれた。
○○さんがプーさんが庭に居るところを猟銃で撃ったので、その日は学校から皆でプーさんを見に行った。
プーさんは、トラクターで逆さにつるされていた。
みんなで、プーさんを見たり、触ったりした。
プーさん、とうとうつかまっちゃったね。」
うろ覚えですが、こんな内容でした。要するに、近所に出没する熊に勝手にプーさん(^_^;)という名前をつけて、熊が撃ち殺されたのを皆で見学に行ったことを記事にしていたんですねー。なかなか、学級新聞のネタとしては、ヘビーです。この事件に関して学校側でどのような指導を行ったのか興味のあるところですが、子供達は至って淡々を事件を綴っていました。現地の子供達にはさほど珍しい出来事でも無いのかもしれません。

横には、プーさんが吊されているイラストと、大きな地図が描いてありました。
地図には、学校や生徒の家が配置されており、所々に熊や鹿や狐イラストが入っておりました。
普通は地図のあやとして、装飾的に入れられているこれらのイラストも、すべて事実に即したものなのだと思うと感慨深いです。
まさしく、リアルな自然と向き合って生活している子供達が、まだ北海道に居るんですね。


今日の発見。
世の中の男の夢は、ほとんどここへ収束する。それは・・・(刮目して)
家庭用ビールサーバーであるっ!
欲しい〜!今、どっかで景品になっているビール缶専用冷蔵庫でもいいや。男の夢・・。


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