馬鹿な遊び その1
埋まりに行く
2000年9月11日(日)
目次


遊びにも創作の要素が欲しい。そして、刺激的な奴・・・。金が無くて暇を持てあましていたときに、どんな遊びをしてきたか、一挙公開の第一弾(決してお勧めはしません)。
さて、刺激的な遊びといっても、河原で火炎瓶を作って投げて遊ぶとかは、いけません。警察に捕まります。私は、特に大学時代にその傾向が爆発して、仲間と変な遊びばかりしていました。
例えば、”埋まりに行く”遊びです。


吹雪だ!テレビでは暴風雪警報を告げている。皆除雪に追われて大騒ぎの中、友人から電話が入る「いい天気だな。行くか?」「・・待ってる」。
会話はこれで十分だ。そのうち、夜中に悪友が、ぼろぼろのジムニーに乗って登場する。
ちなみに私は、3万円で買った旧型のシビック。
トランクに、ロープ、スコップ、ジャッキ、角材等を放り込んで出発!どんどん山奥へ入っていく。
外は猛吹雪でワイパーが追いつかない。道にはすでに20センチくらいの雪が積もっている。
目的地?そんなものは無い。ただ、ひたすら人気のない山奥へ進んでいく・・・。そう、埋まりに行くのである。
いよいよ、雪が深くなり、前方に未除雪道路の雪の壁が見えてきた。それ!アクセル全開だ!突っ込め!!
車はボンネットの上まで雪を押し上げながら、苦しげに10メートルほども進んで力尽きる。
ドアは雪に押されてほんの少ししか開かない。僕らは嬉々として車から脱出し、議論する。
バックするか?このまま無理矢理進んでみるか?ジャッキを使うか?ウインチを使うか?
その後、延々と雪を掘り続ける。時々、車を動かしてみて様子を見る。開けっ放しの窓から入った雪で車内が埋まっていく。
大声で怒鳴り合いながら、脱出作業を続ける。二人とも夢中だ。何時間か雪と格闘した後、車をジャッキアップし、車輪の下に角材を押し込んで、やっとスタックからの脱出に成功する。この達成感はなかなか他じゃ味わえない。その後、深い充足感に包まれながら、お互いの健闘をたたえ合う。
さて、ひとごこちついたな・・・夜明けまでまだ時間がある(明け方になると、除雪車がやってきて、ゲームオーバーになる)。もういっちょう埋まりに行くか!
僕たちは、再び、さらに山奥へ向かって出発する・・・

どおですか?楽しそうでしょう。スタック遊びは知力・体力を要する高度な遊びです。この遊びのキモは、人様に迷惑をかけないように、冬の深夜、人気のない山奥で遊ぶことです。例えば砂浜を走り回ったあげくにハマナスの群生を踏んづけたり、生活道路を封鎖したりしてはいけません。雪に埋まるので車も(あんまり)傷みません。まったく、雪遊びは楽しいですね。

注意:決して一人で遊ばないでください。車も二台が望ましいです。十分な装備を持っていきましょう。
私はつい、うかつにスコップを忘れたまま一人で冬季閉鎖された峠へ埋まりに入って、延々手で車の下を掘っていたことがありました・・・危うくそのまま行き倒れて埋まりそうになりました。
また、油断した服装で吹雪の深夜ドライブに出かけ、そのまま勢いでスタック遊びに突入し、どうしても脱出できない車を捨ててきたこともあります。そのときは短靴・ジーンズ・シャツという出で立ちで、靴の上からビニール袋を履いて長靴代わりにし、凍える寸前にやっと友人宅へたどりつきました。
その後は、友人の車で捨てた車を回収に向かうわけですが、迷惑な話ですね(^_^;)。
このような体験が冬山での対吹雪対策に役立っているのかも?そんなわけないか。


目次