山で出会った変な人
2001年10月18日(水)
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学生時代から山に登り、山小屋で泊まり込みの監視員の長期バイトもしていた旦那の、変な登山者特集。ちょっと恐い人も出てきます。



黒岳のスナイパー:
昔、黒岳で高山植物監視員をしていたときの話し。
普通の格好だけど、米軍のM-16ライフル(スコープ付き)を背負っている登山者発見!ニヒルな奴で、時々思わせぶりに銃を構えたりしている。??
私が最初に黒岳の山頂で見つけたが、「あーあ、モデルガンなんか持って山へきやがって・・・どうせすぐ降りるだろう」と思って放っておいた。
しかし、姿が見えなくなったな・・・と思っていたら、黒岳石室の管理人から「猟銃を持った若者発見!」とか無線が入ってきた。慌てて「あれはモデルガンです。日本にあんな銃はありませんよ。」と教えてあげたが、かなりパニックになっていたようだ。そして、しばらくするとお鉢周辺をパトロール中の監視員や白雲小屋の管理人からも次々と同じような無線連絡が・・・罪な奴だ。
それにしても、あいつどこまで銃をぶら下げながら縦走していったんだろう・?
彼はゴルゴ13だったのだろうか?大雪の頂から誰かを狙撃しようとしていたのだろうか、そして私が黙って背後に立つとぶん殴られたのだろうか。

美瑛岳で出会った恐い老人:
ある夏の日、旦那と友人Nでヒイヒイ言いながら美瑛岳を登っていた。疲れて8合目付近で休憩していると、そいつがあらわれた!
長い白髪の老人で、格好はランニングパンツとランニングシャツ。それと腰に小さなポーチだけ。
登山道を全く無視しして、麓から山頂までの直線コースをただひたすら走って登ってくる!うひゃー!!いったいどこから現れたのだ!?
たまげる僕らの傍らを、風の様にすり抜けていく老人。友人Nは、時々そいつが小さなポーチから木の実のようなものを掴んで、ぽろぽろこぼしながら口へ入れているのを見たという。旦那は、「ホイ、ホイ」というかけ声を聞いたような気がした・・・
シュールで夢のような光景だった。
それにしても、高山植物を踏みにじりながらっていうのは・・・文句の一つも言ってやろうと思い、山頂へ上がって周囲を見渡して探してみたが、あの老人はいなかった。まるで空中へ消えてしまったように。
あれも登山者なのだろうか?いや、そもそも人間だったのだろうか?ひょっとしたら山の精だったのかもしれない。

富良野岳のランボー:
もぅ一人、私が富良野岳から降りてきた時に見かけた恐い奴。まず、全身迷彩服。
えらく元気が良くて、時々一人で「よしっ!」とか言っている。そいつは富良野岳と三峰山の分岐地点で迷彩ザックを降ろし、迷彩ジャケットを脱ぎ、迷彩パンツ、迷彩Tシャツのいでたちになり、迷彩バンダナを額に締めて気合いを入れた後、ザックからランボーが使うような大型ナイフを取り出して腰に吊した。そして、その大型ナイフだけを身につけて走るように富良野岳山頂へ向かっていった・・・旦那はなるべくそいつの目を見ないようにしながら・・・しかし興味津々でその様子を見ていた。
自衛隊でもあんなに迷彩づくしではないと思う。それにしても山頂へ大型ナイフ一丁ってのが・・・なんのために??
熊避けだろうか?それとも彼はランボーで、富良野岳山頂で誰かと闘うつもりだったのだろうか?うかつに背中を見せたらナイフが飛んできて、ブスッとやられたかもしれない。

変な登山者を見ると、旦那の妄想もふくらむのであった。


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