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2000年7月4日(月) |
また、今年も作ってしまいました。三段山ビデオ「sandan yama 2000」。 今回のビデオを制作する上でたてた作戦を紹介します。 皆さんにも覚えがあると思いますが、いわゆるホームビデオってつらいですよね。 新婚旅行とか、子供の運動会とか・・・未編集のビデオを長時間見せられると大変です。 特に私は酔いやすいので、パン、ズームを多用して視点の定まらないビデオを見せられると気持ちが悪くなってしまいます。 人様に時間を割いてもらってビデオを見てもらうのですから、なるべく的を絞ったビデオを見せたいものです。 従来は、ビデオの編集はとても大変だったので仕方ありませんが、もう、DTV環境が十分整ってきているので、なるべく編集してあげましょう。 ビデオを人に見ていただくというのは、本当に大変です。一般に、普通のビデオを人が集中して見ていられる限界は15分以内と言われています。 それで、私のビデオも一作品15分以内にするように心がけています。 しかし、編集済みのビデオでも、ひどいものがあります。 良くあるのが、作品よりもエンドクレジットの方が長いというやつ。これこそ本末転倒です。私も今回のビデオでは反省して、エンドクレジットはサラッと流すようにしました。 逆に編集が良いと、たとえ家族旅行のビデオでもグッとおもしろくなります。特にストーリーが無くても、テンポのよい曲にあわせた画像の組み立てを見るのはとても楽しいものです。 編集には時間をかけましょう。っていうか、とても時間がかかります・・・(^_^;) 今回はソフトの習得時間を除いて、10日以上かかりました。そのうち1日は、仕事を休んだ挙げ句にほぼ徹夜です。あっ、これは職場に内緒ですが(^_^;)。 次に、既存のすばらしいスキービデオ(商品)との差別化ですが、これらは、さすがプロが撮影しただけあって、まともに勝負しても到底かないません。 本格的な機材、高度な編集、トッププロスキーヤー達の滑り。どれも私達には欠けているものです。 そこで、いくつか的を絞って勝負することにしました。 1.登るシーンを大切にする 2.吹雪のシーンを盛り込む 3.作品の傾向(分野)を徹底的に絞る 4.地域性を出す(地の利・・・) 1.登るシーンを大切にする これは、窮余の策かもしれません。まあ、どれも窮余の策なんですが・・・。 商売品のビデオは、予算にものをいわせてへリスキーだったり、逆に時間の制約からリフトを使ってゲレンデのオフピステを滑らせたりしています。 つまり、スキーヤーが登っているシーンはあんまり無いんですね。 まあ、登っているシーンなんかおもしろくないと言われればそれまでなんですが、なにより確実に特色が出せる訳です。 2.吹雪のシーンを盛り込む これも、プロ機材に対する素人機材のアドバンテージになります。 プロのベータカムには、完全防水ケースなどがありません(どっかにはあると思うけど、あんまし見たことがない)。つまりひどい吹雪や、転倒覚悟の併走撮影なんかはあんまりできない筈!(あくまでも筈)なのです。 その点、私のsony DCR PC-1ハンディカムは小型の防水ケースに入れて使用することができます。このケースは結構優れもので、落っことしてもカメラが無事だったことも何度かありました。600万円以上するようなプロ用の機材ではこんなラフな使用の仕方をすると、あっという間に壊れてしまうでしょう。ふふふ。 そのかわり、カメラが顔にぶつかって鼻血を出したことは何度かありました。とほほ。でも、カメラが壊れるよりましです。 3.作品の傾向を絞る バリエーションに幅を持たせる余裕はありません。山岳スキー・テレマークに傾向を絞りました。 (今回はニセコで良い映像が撮れたので、ゲレンデの映像もテクニカル編で使用しました) つまり、それくらい分野を絞ったビデオにするということです。バラエティは無理なので、マニアックな専門番組に走る訳です。 えー作中のアルペンスキーヤーの方々、すみません。結果的に少しテレマーカーをえこひいきしたビデオになってしまいました。 これも、ビデオの傾向を絞るために仕方なく行ったものです。 4.地域性を出す これは、ご存じの通り北海道の十勝岳連邦の、さらに三段山を重点的に取り上げています。 風景をロングで撮ったシーンを意識的に盛り込んで、地域性を出しました。まさに地の利を生かすという奴です。もっともその地域に魅力が無ければそれまでなんですが。 以上の留意点が一番生かされているのが、3パートある三段山ビデオの中ではネイチャー編です。 一番地味なパートですが、一番プロのビデオに無い特色を備えていたと思います。素人の特権で一年分の活動を一本に凝縮させてもらいました。 他には、わがままで楽屋落ち的なシーンをだいぶ盛り込ませていただきました。作中では「良い子のふろく」がそうです。 楽屋落ちは、素人ビデオでもっとも楽しい部分であると同時に、よく事情を知らない人にとってはもっともつまらない部分になる危険性があります。 でも、やめられないんですね(^_^;)。そのかわり、ビデオの本編と楽屋落ちシーンは別パートにして、切り離すことことにしました。今回初の試みですが、どうでしょうか? 以上の作戦も、スキーヤー達の素晴らしい滑りがあってこそです。 最後になりましたが、本当に皆さんありがとうございました。こころより感謝します。 |