特別編:キャンピングカーはどうであったか?

くま@三段山クラブワシントン支部

2000年9月6日(水)
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今回使用したキャンピングカーはむやみやたらとデカイサイズでした(全景は写真1参照)が、この他にもピックアップトラックの荷台に載せるタイプから牽引するサイズの物まで多種多様のキャンピングカーを見かけました。
更に言えばRVに加えてその後ろにボートやら、近距離の移動用や買出し用に自家用車を牽引しているRVまで本当に多種多様でした。

私達の使用したキャンピングカーを例にとり概略をご説明します。中の設備としてはクイーンサイズのベッド/ソファー(ベッドにもテーブル使用時の椅子にもなる)/台所(電子レンジ、オーブン、ガス台、冷蔵庫)なお、冷蔵庫及びガス台の熱源はLPガス!!/トイレ/バスタブ付きのシャワー室/テレビ、CD、Radioなどです。

さて、このRVが宿泊地であるRVParkに着くと下記の手順でセットアップを行います。
停車後、まず車体の水平を確認。運転席横(写真2)に備え付けてある水準器で車体の水平調整を行う。停車していてどうやって水平を出すのかと思うでしょ?車体の下部(前と後ろに)自動の油圧式ジャッキダンパーが備え付けてあって運転席で水準器を見ながらこの油圧式ジャッキを操作して車体の水平を出すわけです。
ここらへんはいかにも私好みのギミック。この機構が付いていない一昔前のRVや牽引式のRVはジャッキなどを車体にかませて水平を出していました。(写真3)
水平を出したあとは、車体側面の一部を外側にせり出して車内の稼動空間を広げます。この操作は内蔵してあるモーターで行い、操作はやはり運転席のボタン操作のみで完了。(約70センチ外側に広がります)幅1M、長さ2.5M程の空間が小さな警報音と共にゆっくりと外側に動いていく様はナカナカ面白いものがあります。サンダーバードの発進シーンやウルトラホークの発進シーンに興奮を覚える手合いにはタマラン装備です。(写真4)

車体のセットアップが終わったら、次は車を降りて車体後部にまわり水まわりと電源の接続を行います。
走行中に使ったトイレや台所の使用で溜まった汚水は走行中も全て車体下部のタンクに保持されているので、これを外部のダクトに接続して排水。上水道はやはりRVParkのダクトへホースをつないで供給を受けます。(写真5)
電源については走行中は車体後部の発電機から供給されていますが、停車時は発電機を止めて外部からの電源供給を受けます。このための電源ケーブルが各キャンプサイトについています。ちなみに走行中もバカでかい車内空間の全てにクーラーの冷気を送るのはムリな話なので、この発電機によるクーラーがずっと動いています。発電機のガソリンは車の物と共用なので、イキオイ燃費は信じられないくらい悪くなります。どのくらい悪いかと言うと記録を取るのも忘れるほど悪くなります。(すんません、忘れました)
ただ、一日あたり200キロ程度の走行で一回あたり110Lを入れている事を考えると少々恐ろしくなりますね。ガソリン代が日本の四分の一程度のアメリカならではと言う所でしょうか

RVParkによってはこの水道や電気の他に電話のモジュラーやケーブルテレビの端子なども備えておりほとんど家で生活するのと同じ利便性があるわけです。


しかしながらこれだけの利便性を追い続けることでRVはひたすらに肥大化して、いろいろなギミックを必要としてするのも事実です。現に私が借りたRVはあまりに大きすぎて自分ではパンクした際のタイヤ交換も出来ない有様です。つまり車重がありすぎてフツウのジャッキでは持ちあがらないそうです。(じゃあ、どうするんだと聞いたらそれ専用のエマージェンシーコール番号に電話せよと言われた)。
また、旅を続けるにはRVParkというバックアップ施設が必要となっています。
(RVParkの写真は写真6,7,8)
そんな訳で、バイクで野宿を繰り返していた私にとってこのRVを使った旅は実は新鮮さよりも不自由さの方が目に付きました。
日本でも近年オートキンプが盛んと聞きますが、コレだけでのバックアップを備えた施設が全国に展開される事はまず無理ではないかと思います。

長短合わせ見てみれば、RVでの旅は少なくとも私には向かないと言えます。もちろん、今回のような小さな娘二人を連れた旅では、他の旅行者に迷惑をかける可能性がミニマムなRVは大きな長所だと思います。
また、毎日違うHOTELを渡り歩くよりも環境の変化が少なく、子供の健康にも良いかもしれません。
アメリカのRVツアラーの多くを占めると思われる退職後の悠悠自適な年齢層にとっても居住空間が移動して行くこの旅のスタイルは疲労が少ないのかもしれません。

今回も旅先のRVParkでも家族連れがRVの脇でBBQなどをしてくつろぐ姿をしばし見ましたし、RVに全員の自転車を積んだりして旅先ではそれを使っている家族なども見ました。
子どもが10歳程度までの家族にとってはこのRVの旅もとても魅力あるシステムではないかと感じました。

長短織り交ぜての今回の旅でしたが、アメリカのモータリゼーションの一つの側面を見ることが出来ました。日本人万人にお勧め出来るとは思いませんがおもしろい経験はできるかと思います。

文責 T,Okuma (写真9)


おまけ  趣味的補足または考察。
RVのシステムを使ってみて個人的かつ突飛な考察を一つ。米軍の作戦展開と良く似ているような気がします。圧倒的な物量による作戦展開(旅行だってば)、RVParkと言う補給体制、湾岸戦争の際の司令部もかくやとおもわせる快適性の追求。
航空母艦のそれのように、RVの後ろに小型機やボートを牽引して機動性を確保と、あげればキリがありません。
それに較べると私が行ってきたバイクでのツーリングなんてのは、単独長距離偵察活動(ラープっていいましたっけ?識者の方)もしくは、ゲリラ活動レベルに過ぎません。もっとも私の性向はそちら向きなんですが。
と、言うような事をつらつらと考えていた訳です。だって走ってる間ヒマなんだもん。
写真1
写真2
写真3
写真4
写真5
写真6
写真7
写真8
写真9


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